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サム・ライミ監督の映画「スペル」レビュー「「呪い」なんぞに負けてたまるか!」

銀行のローンデスク担当のクリスティン(アリソン・ローマン)が
更なるキャリアアップの為には彼女が「厳しい決断(タフ・デシジョン)」が出来るか否かにかかっていると上司に釘を刺され
ジプシーの老婆(ローナ・レイヴァ―)の3度目のローン延長願いを拒絶する。

老婆は逆恨みしてクリスティンのコートのボタンに「呪い」をかけた。

この「呪い」は「ボタンの所有者」に発動し
悪魔ラーミアが「ボタンの所有者」を3日間苦しめた挙句,
4日目の朝に「ボタンの所有者」を地獄に引きずり込むと言う
凄まじい内容なのだ。

勿論クリスティンは逆恨みを発端とするこの「呪い」を甘受する意思は
毛頭なく「呪い」を回避する為の
彼女の「3日間戦争」が幕を開けたのであった…!

「スパイダーマン」で初めてサム・ライミ監督を知った方には
何故彼ほどの才能の持ち主が斯様な悪趣味映画を撮影したのか
理解に苦しむのは当然だと思う。

しかし「死霊のはらわた」でサム・ライミ監督と出会った僕からすれば

「違うもんねーコレがサム・ライミ監督の「本性」だもんねー,
お帰りサム!今日は僕のオゴリだ!祝杯を挙げよう!」

という気持ちで一杯だ!

クリスティン役のアリソン・ローマンが出勤する車中で音声CDによる
「正しい発音」のトレーニングをしている場面で魂鷲掴みとなり
こんなにめんこい女の子の口から蛆だの蠅だのを吐き出させ
室内を縦横無尽に振り回し可愛い子猫ちゃんにアレヤコレヤさせる
サム・ライミ監督の「政治力」の飛躍的向上と相変わらずの悪趣味ぶりを
見い出し僕の「黒い心」も御満悦だ!

しかし新世紀の女の子は「呪い」程度ではへこたれないのだ。

彼女が異例の若さで銀行のローンデスクを任され更に次長職を視野に入れた「厳しい決断」が出来るのは彼女の不断の努力と
超勝気でエネルギッシュな向上心の賜物なのだ。

「呪い」なんぞに負けてたまるか!

クリスティンの彼氏の「趣味」を知った時点で「あ,分かった」となる
脚本の弱みはあるが些かもダレることなく4日目の朝を清々しい気持ちで
迎えられるのも脚本の力であることもまた事実。

最後に本作品を視聴する際の注意事項を述べておく。
「猫ちゃん大好き!」の愛猫家の方は
「劇場公開版」を視聴することをお勧めする。
サム・ライミ監督の「本性」を知りたい方は
迷わず「ディレクターズ・カット版」に吶喊だ!

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