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映画「ヒドゥン」レビュー

退屈な日曜の午後。
家人は暇が頂点に達すると僕に
「何かいい映画ない?」
と聞いて来ます。
家人は刑事物が好き,僕は酷い酷いドロドロのホラー映画が好き。
ふたりの好みを勘案してふたりで問題なく観られる映画を僕の頭のデータベースで検索すると例えばこの「ヒドゥン」と言った所に落ち着きます。

家人は叩き上げの刑事が好きなのでマイケル・ヌーリー演じるトム・ベック刑事に惚れ込んでます。
「部下に厳しい反面,本当は部下思いで家族思いな情の篤さの共存具合が溜まらん」
とは家人の言。
僕はカイル・マクラクラン演じるFBIのロイド・ギャラガー捜査官に惚れ込んでます。
だって彼,とってもキュートじゃないですか。
彼が初めて酒を飲んでベックの家で酔い潰れてベッドに寝込むキュートな姿は何杯でも御飯がおかわりできますね。

最初は反目し合ってたふたりが互いに互いを理解するにつれて「信頼」が生まれ,ふたりが初めて並んで歩く場面には家人共々目頭が熱くなります。

作家の岩崎つばさ先生が出された「ヒドゥン」の同人誌の題名は「君に援護して欲しい」。
岩崎先生の「分かってる」感じがもう溜まらないのです。

ベックの娘さん役の子役の演技も良かった。
本作の最後に「ベック」を見詰める娘さんの瞳はね,
娘さんが初めてギャラガーに出会った時の瞳と「同じ」なんです。
「同じ」である事を知りながら「それ」を受け入れて
「ベック」の手をキュッと握る娘さんの演技にもうね…涙涙ですよ。

家人共々充実感を感じながら退屈な日曜の午後の時間がゆっくりと流れて行きます。

この年のアヴォリアッツ映画祭のグランプリはヴァ―ホーベン監督の「ロボコップ」が当確と言われてたのですが,その下馬評を覆したのが本作ですね。以来,僕の中ではヴァ―ホーベン監督がジョーンズにジャック・ショルダー監督がモートンに見える様になりました。ヴァ―ホーベン監督はショルダー監督を爆薬で吹っ飛ばしたかったんだろうなあ…と取り留めのない妄想を愉しんでいるのです。

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