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オラフ・イッテンバッハ監督の映画「バーニング・ムーン」レビュー「薬物依存症の兄(監督自身)が幼い妹に聞かす血みどろの寝物語二本立て!」

兄(監督自身)が幼い妹に聞かせる血みどろの寝物語。

イケメン彼氏の正体は精神病院を脱走した
カッとなると人を殺すのが趣味の殺人鬼だった!の「ジュリアの恋」。

村の破戒坊主が婦女暴行殺人を繰り返す悪魔教信者で,
凌辱殺人を繰り返し,殺した女の生血を飲んだ挙句自殺し,
坊主の罪をオツムは弱いが純朴な青年ユストスが被り
村の血気盛んな青年団の手により惨殺され,
ユストスを気の毒に思った地獄の悪魔が
青年団の首魁に罰として地獄の責苦を与える「純血」の
二本立てのオムニバス映画。

「粗筋」などあって無きが如しで,演技は素人同然ながら
ただひたすらに気違いが人を殺したり女を凌辱したりする
凄惨極まりない描写にかえって観客が言葉を失い座席で金縛りに遭う作風。

でも本当はね。
就労意欲ゼロで喧嘩に明け暮れ世間からも家族からも爪弾きにされた
若者(監督自身)が,違法薬物に走り,幼い妹に血みどろの寝物語を聞かせ,
月が燃える幻覚を見た挙句,
妹を道連れにして自害する「監督自身の話」が一番素晴らしいんだ。

「統合失調症」に逃げず「精神分裂症」と
正確に字幕翻訳された是空さんに礼を言うよ。

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