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別館「ローカル×ローカル」ブックリレー。「わたしとローカル」~NO.2_「ひきこもりUX会議」 理事 室井舞花さん

ローカル×ローカル別館「room5」の本棚を、いってつの「気になるあの人」にお願いをするプロジェクト。

noteでは選書本を数珠つなぎに紹介していきます。

プロジェクトの詳細はコチラから。

第2回のゲストは「ひきこもりUX会議」理事の室井舞花さん。

室井舞花(Maika Muroi)
19歳で大学を中退、世界一周の船旅を企画するNGOピースボートで10年働く。これまで訪れた国は約60か国。2016年からはNext Commons Lab創業メンバーとして岩手県遠野市と東京の2拠点生活を始める。現在は、ひきこもり/不登校/発達障害などの当事者・経験者らで立ち上げた団体「ひきこもりUX会議」を軸に、コミュニティや領域を横断しながら、多様な人が違いを超えて生きられる社会を目指し奔走中。性的マイノリティ当事者として『恋の相手は女の子』も出版。

舞花さんは以前、僕がピースボートに乗船していたことがきっかけで出会いました。性的マイノリティを取り巻く状況について最初に知ったのも、舞花さんの活動がきっかけです。また、舞花さんは岩手県遠野市でも活動していました。様々な視点で世の中を眺めているに違いないと、今回お声がけしました。

さて、舞花さんのローカルは、どんな世界でしょうか。

今回、ご紹介いただいた本は、3つ!
ひとつ目が、

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある 岡檀

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある 岡檀/講談社

「コミュニティの特性と自殺率の関係」に関心を持った著者が、全国でも極めて自殺率が低い徳島県南部の小さな町で、地域のどんな特性が自殺の発生を抑えているのかを4年間にわたって現地調査、データ解析、精神医学などを駆使して謎を解き明かしていきます。

「いろんな人がいてもよい、いろんな人がいた方が良い」、「“病”は溜め込まず市に出せ」など、この町には独自の住民気質やコミュニティ文化があることがわかります。

その地に暮らす人にとって「生きやすい町」とは?

まちづくりや、新しい場を地域に作ろうとしている人に、おすすめしたい一冊です。

2つ目が、
ひきポス11号「ひきこもりと地方」

ひきポス11号「ひきこもりと地方」

正直に言うと、「ローカル」や「地域」という言葉はポジティブに響くのに、「地方」や「地元」という言葉に私はちょっと閉塞感を感じてしまいます。地域づくりに関わる仕事をしていた時期もあったけれど、生まれ育った地元に戻ることはないと思います。

この本では、ひきこもりの当事者や経験者が「地方」や「地元」の環境・人間関係の厳しさ、多様性の乏しさを吐露しています。

私自身のモヤモヤとした地元への思いと重なる部分もあり、共感することもしばしば。多くの時間を自宅で過ごすひきこもり当事者にとって、「自分がここにいたい」と思える町やコミュニティとは何でしょう?この本を読んだあなたと一緒に考えたいです。

3つ目が、
アール・ブリュット 湧き上がる衝動の芸術 小林瑞恵 著

アール・ブリュット 湧き上がる衝動の芸術 小林瑞恵 著|大和書房

ページをめくりながら思わず「ワオ!」と声に出してしまうかも。
この本は、アール・ブリュットと呼ばれる、美術の専門教育を受けていない人が独自の発想と方法で創られた国内外の芸術作品を多数紹介しています。

既存の枠にとらわれず、「表現したい」という心(魂ともいえるかも)の赴くままに創造された作品は、「芸術や表現はこういうものだ」という固定概念をぶち壊すほどのエネルギーをもっています。アール・ブリュット作品に出合うことは、自分が気づかぬうちに積み上げてきた固定概念との衝突ともいえるかもしれません。そして、この本はアール・ブリュット作品によって、国内外の個人や地域を結び、繋げていることを示す一冊でもあります。

選書していただいた本棚は、別館オープンの2022年3月から公開する予定です。

情報は、noteでもキャンプファイヤーの活動報告でも紹介していきます。

ぜひ南伊豆まで足を運んでみてくださいね。

宿の予約はこちらから▼

舞花さんの著書「恋の相手は女の子」▼

舞花さんのインタビュー記事はこちらから見れます!▼


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