紫ちちぶ

紫ちちぶ(幕末−明治期の狂歌師)と紫式部と紫乳部と秩父地方のムラサキをこよなく愛する人…

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紫ちちぶ(幕末−明治期の狂歌師)と紫式部と紫乳部と秩父地方のムラサキをこよなく愛する人です。『源氏物語』大好きです🩷

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『源氏物語』と本歌取り(2)

  女につかはしける 1232 よしさらばのちの世とだにたのめおけつらさにたへぬ身ともこそなれ(『新古今和歌集』巻第十三 恋歌三(注1) 皇太后宮大夫俊成)   返し 1233 たのめおかむたださばかりを契りにてうき世の中の夢になしてよ(同上 藤原定家朝臣母) [現代語訳]1232(注1) わかりましたよ。それではせめて後の世では一緒になるとだけでも、私に期待を抱かせておいてください。私はあなたのつれなさに堪えられずに死んでしまう身となるかもしれませんから。 1233(注1

    • 『源氏物語』と本歌取り(1)

      『源氏物語』には795首の和歌(注1)が記載されていますが、そのうち222首が光源氏が詠んだ和歌(注1)とされています。これらの和歌は、後の時代に詠まれた和歌に影響を与え、「本歌取り」の本歌として盛んに用いられるようになりました。  本歌取り(ほんかどり)とは、有名な古歌(注2)の1句もしくは数句を自作に取り入れて作歌を行う技法ですが、『古今和歌集』の和歌にも見られるように、平安時代中頃には既に確立されていた技法のようです。 注1 作者は無論、紫式部。 注2 引用した古歌を

    『源氏物語』と本歌取り(2)