【どうしよう？？知的障害者のワクチン接種と自己決定】

弟は体重20kg台しかない、いわゆる小人症。中度知的障害がある。
姉なりにコロナワクチンと小人症や低体重に関する海外文献を読んだり相談窓口に電話したりして、現時点では安全性を確認できるデータが無い、という結論に達した。

ワクチン接種のタイミングは、弟本人に訊くと「どうでもいい🥱」
では「小人症や子どもの治験結果が出るまで、ワクチン接種は見送ろう」ということで、弟と同意……

のはずが、「作業所から集団接種のお知らせが来たよ。どうしよう？」と弟からLINE。

ビデオ通話をしてみると、そこには「どうしよう～～～」とウンウン頭を抱える弟が…。

何に悩んでいるのか、どこで迷っているのか訊いてみても、
「わかんない、むずかしい、どうしよう～～～😫」

母親は「かかりつけの先生のとこでも接種してもらえるんよ、先の方でも希望したら絶対してもらえるんよ！」と慌てる必要はないこと説明済み、でも弟は「どうしよう～～～」と延々頭を抱えている…

「作業所で接種するか、しないかで、迷ってるの？」
「うん…」
「接種するべき、って思ってるの？」
「どうしよう～～～」
「副反応で、痛い～！ってなったり、熱が出るのは、嫌じゃない？」
「……う～～～ん、どうしよう～～～」

クローズQでは迷っているポイントの絞り込みができず、、

コロナに感染することを恐れているのか？？
副反応のことがいまいちピンと来てない？？

本人の自己決定を促したい、けれど家族としては彼の身の安全を考えて「今は打たない」方向に持っていきたいのが本音……

ひとまず「お姉ちゃんはね、接種は見送った方がいいと思ってるよ」と表明して、あれこれ説明。。。。

あなたは人ごみに行かないから、感染リスク低いし、若いから重症化するリスクも低いよ、
家族みーんな、作業所のみーんながワクチン受けたら、コロナにかかる可能性は低いよ、
あなたは体が小さくて「特別」なんだよ、だから、ワクチンの副反応が心配だよ、、、
一生打つなって言ってるんじゃないよ、ちっちゃい子でも大丈夫！ってデータが出てから、打つことを、お姉ちゃんはおすすめするよ。

「うん……うん……どうしよう～～～😫」

たぶん、1つ1つの説明は理解できても、列挙したメリットとデメリットを「比較する」という思考や、「リスクを踏まえて考える」という思考が、彼にはむずかしい。。。

（ちなみに「アストロゼネカ製のワクチンがね、ヨーロッパで副反応が出て～～～」と見聞きしたニュースは理解・説明できるから、人間の脳って本当にふしぎ・・・）

メリット・デメリットを説明しながら反応を見ていると、どうも重要ポイントは、感染リスクとか副反応リスクじゃなさそう。

「何が気になる？」「迷ってる感じ？」
と訊き続けたら、ぽろっと

「でも、みんな、受けるやろうから………」

そこかぁ！！

「作業所のみんなが受けるから、俺も受けた方がいいのかなぁって、思うの？」
「うん」

「そっかぁ。そこが気になってたんやね。あのね、みんなに合わせんくていいんよ。みんなに合わせて、焦って打つ必要は、ないんだよ。」
「そっか………なるほど、、じゃあ打たない😆」

めっちゃケロッと決断するやん！！笑

「いっぱい考えたねぇ」と言うと「うん😃」とニコニコ。

知的障害者のワクチン接種と自己決定………むずかしっ！！

中立的であれ、誘導的になるな、というのは家族には無理な話だ～～～～

けど、悩んで悩んで、決定する、というプロセスを弟が経験できたのは良かったし、たくさん考えてる姿を見て、ちょっと頼もしく思いました😊