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「甘味sweets」眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第26集

心許せば甘美なる第二の腹に延々と、甘味、スイーツ、メルティシュガー。
病んで病まれて止められぬ。甘味の摂取が止められぬ。血糖値が増すばかり。体重も増すばかり。
古今東西noteに散らばるスイーツ記事。名作迷作色々揃って御座います。
眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第26集「甘味」。本日もカロリーオーバーでお願いします。

目次
01 小説「LolitaLollipop」りりかる
02 エッセイ「sweets」虎馬鹿子
03マンガ 「生クリーム」まぶたゆりこ
04小説「おかしをわがてに」くにん
05マンガ「ドイツのケーキ屋さんのはなし」さくさくら
06小説「もち米スイーツ」アセアンそよ風
07小説「妄想家族 ツレがdietしてまして」平沢たゆ
08写真「今まで食べてきたスイーツ写真集」杠
09小説「イタリアンロール」ムラサキ
10エッセイ「美味しい時間」Le yusee
11小説「ひろし」メレンゲのシュー
12詩「お菓子の家の夢」海亀湾館長
13コラム「八幡屋磯五郎のSPICEchocolate」りょーた
14小説「ホイップクリームとスコッチ」千本松由季
15マンガ「どっかのカフェマンガ1」トザキ

マガジンはこちらから。(https://note.com/murasaki_kairo/m/m0bb6af28fdff)

解題
01 小説「LolitaLollipop」りりかる
今月も無事にまとまりました「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」。第26集です。シリーズは三年目に突入しております。この度のテーマは「甘味」。どのような味覚が集まるでしょうか。
アンソロジーの冒頭はりりかるさんの小説から。

主人公はロリータ。童顔で低身長でFカップです。三拍子揃って豪華ですねえ。様々なアニメ作品でもお馴染みの(?)このジャンルの呼称は何かと調べましたら、このジャンルは「童顔巨乳」と呼ばれる人種とのこと。・・・そのまんまでしたね。
参考「トランジスタグラマー・ロリ巨乳・童顔巨乳の違いについて、或いは勝間南瓜について」

アラサーとなって主人公は「清純派」ジャンルから「自分の最も望むべき路線」に方向転換することを決意しました。そう「エロ路線」に。この転身、うまくいくでしょうか。

話の展開が読めずに引き込まれます。主人公の思い通りにストーリーが進みません。主人公の気持ちと進行のギャップが面白いですね。そう、ギャップ。コメントにも書かせて頂きましたが童顔なのに巨乳とか、低身長なのに巨乳とか、アラサーなのに巨乳とか。この小説は様々のギャップを作ることで魅力を発揮しております。ギャップ萌えです。

ロリータでロリポップなスイートをお楽しみください。


02 エッセイ「sweets」虎馬鹿子
AKB48の名曲「口移しのチョコレート」「となりのバナナ」「キャンデイー」を中心に虎馬さんのエッセイが進みます。
ところで、皆さんはAKB48ってご存じですか?AKB48を知らない方のためにwikipediaから概要を引用します。

AKB48は、「テレビやコンサート会場でしか会うことができない」という従来のアイドルの固定観念を根底から覆し、結成以来「会いにいけるアイドル」のコンセプトのもと、専用劇場(後述)での高頻度の公演・徹底したファンサービス(握手会・写真会等)でアイドルとファンとの距離を縮め、アイドルをより身近な存在にする取り組みを継続して行っている。専用劇場で行われるコンサートは全て「公演」と銘打っており(「ライブ」「コンサート」と呼称されることはない)、2014年現在でもグループ活動の中心となっている。公演は全てオリジナル曲で行われ、オリジナル曲の数は2013年11月22日時点で、AKB48単独で401曲、AKB48グループ全体では914曲となる[注 7]。一部の楽曲を除き、総合プロデューサーの秋元康が作詞を行っている。秋元康は1回の公演につき1,000曲以上のデモテープを集め、何日もかけてそれを聴きながら使用する曲を選んでいる。(wikipedia)

2013年の時点で楽曲がポケモンより多くなっていますね。ファンの方は全部の曲名を知っているんでしょうか?
AKBの楽曲一覧はこちらです。

wikipediaのページの注釈数が334に及んでいます。こんなにボリュームのあるページは見たことありません。いま日本で何が起こっているんでしょうか?と、思ったらこんなページが用意されていました。

wikipediaの長いページ。

現在の一位は「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター一覧」でした。
文字数カウントアプリで調べると原稿用紙換算で980ページあります。・・・小説!!
暇な日は「ゲゲゲの鬼太郎登場キャラクター一覧」を読みながら過ごすのも良いですね。

話が脱線致しましたが虎馬さんのエッセイです。
こと日本の女性アイドルは庇護される存在です。ファンから、プロデューサーから、世間から。親が子供に施す庇護にも似ております。
本エッセイの根底にあるのはそうした庇護感、でしょうか。庇護者が庇護を施す反面で「アイドルはこうでなければ」「子供はこうでなければ」と偶像を押し付けます。そうした関係性の中でアイドルは滅私する。透徹の存在になっていく。それを純化と呼ぶのか、どうか。

マドンナや沢田研二が公演を反故してファンを裏切ってばかりおりますが、ファンの期待を裏切ることが許されないアイドルと、どちらが健康的なのかと問われれば一概に答えられる問題ではございません。

ところで、この記事のトップ絵のチョコレートの写真が官能的に美味しそうです。

03マンガ 「生クリーム」まぶたゆりこ
まぶたゆりこさんの漫画です。パティ四郎がマンリ・シャルパン寺にバターを探しに行く話。滅茶苦茶で面白いですね。
本作品は2015年作品ですが、まぶたさんはまだまだ現役ノーターとして活躍しております。最近の作品では西安の「ビャンビャン麺」の話が話題を呼びました。

ビャンビャン麺。「びゃん」の字は私が使っているスマホの文字入力アプリ「Simeji」では変換のしようも御座いません。なんて素敵な漢字なのでしょうか。こんな素敵な漢字見た事が御座いません。ざっと数えると1文字で41画。(画数苦手)既に私の真名の総画より多くなっております。このような字が名前に使えるようになると良いですねえ。「びゃん太郎」とか。まぶたさんは素敵にマニアックな視点をお持ちです。

04小説「おかしをわがてに」くにん
くにんさんの小説です。
子どもはお菓子が大好きです。だからといって好きなだけ与えてしまっては宜しくありません。と言いつつ、当の我々大人だってお菓子は大好きでお菓子に関しては不摂生です。子供にあれこれ言えませんねえ。
そのような自堕落を子どもは見抜いていて、大人批判の材料となります。
まあでも、お菓子は程々にね。
この記事のコメント欄に投稿した私の不可解な発言は「機動戦士ガンダム」でネット検索すると詳細が出て参ります。


05マンガ「ドイツのケーキ屋さんのはなし」さくさくら

さくさくらさんのエッセイマンガです。さくさくらさんは最近も美味しいスイーツのイラストを描かれております。なんて美味しそうな絵を描かれるのでしょう!
日本のケーキは厳重に包装されますが、ドイツではそんなことは無さそうです。うっかり落としてしまったら?
味は変わらないかもしれませんが、悲劇です。

06小説「もち米スイーツ」アセアンそよ風

アセアンさんの紹介するアジアスイーツは甘いもち米「カオニャオマムアン」です。
もち米は日本でもおはぎ、ぼたもちに使いますし、もち粉を使って大福や団子を作ります。さっぱりした甘さともち米の食感が如何にも美味しそうです。
ところでカオニャオマムアンという名前が全く覚えられません。調べてみると「カオ」は米。「カオニャオ」はもち米。「マムアン」はマンゴーの事のようです。タイではカオニャオマムアンの他にも「カオニャオ」に色んな果物を添えるようですね。アジアの食べ物って美味しそうですよねえ。
話は全く変わりますが、最近スーパーでトムヤムペーストを買って大層具合が良いので買い足そうと思ったら、もうない。他の店にもない。人気商品なんでしょうか?

(今日スーパーに行ったら売られていました。納品に時間がかかるだけなのでしょうか。ハウス食品のクッキングペースト。おすすめですよ。)

07小説「妄想家族 ツレがdietしてまして」平沢たゆ
家で夫がダイエットを始めると家のご飯を食べなくなって妻が苛々する話。
私もダイエット中で似たような状況です(笑)。
あ、私はお菓子も控えてますよ。
女性は夕食を控えて豆腐を食べるという都市伝説を聞いた事があるのですが、そんな、まさか!と一笑に付していた所、昨晩の夕食時に冷蔵庫から賞味期限が本日までの「木綿豆腐」が一丁発見されまして、豆腐の夕ご飯に挑戦してみました。豆腐だけでは味が無いのでキムチの素をかけて食べた所、アリですねえ。鍋にすれば豆腐チゲとなる訳ですが、火を通さなくても美味しかったですよ。考えてみればおツマミにキムチ豆腐とかもありますものね。
最近になって漸く「カロリー」なるものを気にし始めた訳ですが、私の基礎代謝からすると痩せるためには一日1650キロカロリーしか食べてはいけないらしくて、今日ローソンでお菓子パンの栄養成分を見たら一個が500キロカロリー弱あるのです。私、かつてはそのようなものを一日幾つも食べておりましたので、一日3000~4000キロカロリーは摂取していたと思います。そりゃ太るよ!お菓子パンの誘惑怖いですねえ。生クリーム怖いですねえ。

08写真「今まで食べてきたスイーツ写真集」杠
この記事の写真が美味しそうです!
特に最後の大きなシュークリームが凄いですよ!
でかいシュークリームが美味しそうなので、インターネットでざっくり巨大シュークリームについて検索してみました。

いわき「白土屋菓子店」超特大ジャンボシュー…超危険!これはもう海だ!溺れそうです。
https://trl-fukushima.co.jp/archives/blog_post/1879

銀座「蜂の家」軍艦シュークリーム…でかい!やばい!
https://www.syokuraku-web.com/bar-restaurant/41483/f/

佐世保「蜂の家」軍艦シュークリーム…銀座のお店の本店は佐世保にあります。でかい!やばい!
https://j-town.net/nagasaki/gourmet/tanbouki/205510.html?p=all

宮崎「お菓子の日高」なんじゃこりゃシュー…これは大きさはそうでもないですが、中の具が美味しそう。一緒に紹介されている大福も美味しそう。この大福は確かスイーツ関取の大乃国さんも紹介していた気がします。
https://www.travel.co.jp/guide/article/32618/3/

大きなシュークリーム、良いですねえ!


09小説「イタリアンロール」ムラサキ

沼津の縁起物「冨久家のイタリアンロール」の小説です。美味しいですよ!お目出度い時に是非!


10エッセイ「美味しい時間」yusee

パティシエって凄いですよね。こんなにも美して美味しいものを作るのですから。この記事ではパリ在住のユカさんというパティシエさんを紹介しております。Instagramもやっているので是非ご覧下さい。
美味しそうなものを見てると癒されます…。


11小説「ひろし」メレンゲのシュー

毎度奇作で本アンソロジーに挑戦するひろしさん。前回に引き続きメルヘン詩での参加です。登場人物は「朗読する男」「朗読を聞く女」の2人。この二人は恋人ですが、二人の関係は「詩の朗読」という行為によって結ばれています。
メルヘンで素敵な設定が組まれていますが、ひろしさんの手にかかるとやはり奇作。
ひろしさんは奇作が集まる事で有名な阿波しらさぎ文学賞の第二回で1次選考に通過しております。奇作の名手です。
そんなひろしさんが今回提出されたスイーツは「メレンゲのシュー」。シュー皮の中に入っているのはメレンゲです。甘くない!本人曰く「甘くないものが書きたかった」。
本企画のテーマを揺るがしますね。さすがです。

12詩「お菓子の家の夢」海亀湾館長
海亀湾館長の詩です。海亀湾館長さんは表現力が精緻で読んでいて安心感があります。
巧みです。
眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーの趣旨に沿って作品を書いたと言う通り今作は怖いですよ。
※「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」は朝日ソノラマ社のホラー系漫画雑誌「眠れぬ夜の奇妙なはなし(通称ネムキ)」をリスペクトしております。すっかり裏設定になっております。

お菓子の家と云えばヘンゼルとグレーテル。親に間引きされて森に捨てられた二人が迷い込んだお菓子の家は魔女の住処。二人は掴まって兄は食べられる事が決まります。
グリム童話自体が怖いですよね。
さて海亀湾館長さんの作品、どんな怖さかは皆様の目でお確かめ下さい。

13コラム「八幡屋磯五郎のSPICEchocolate」りょーた
八幡屋磯五郎と聞いてピンと来ない方でも商品を見たらああ、コレコレ!
と何気に有名な唐辛子屋さんです。そんな伝統唐辛子屋さんが作ったチョコレートスイーツ!興味を覚えない訳がない!
りょーたさんの記事は七味それぞれを実食して丁寧な感想がついております。写真も綺麗で興味をそそります。長野に行ったら八幡屋磯五郎ですね!

14小説「ホイップクリームとスコッチ」千本松由季
千本松さんの小説。
本アンソロジーは変態に始まり変態に終わります。彼氏に振られたイケメンスイーツデザイナー。振られた理由は「女みたいだから」。荒んだ気持ちの夜に出会った男は?
投げやりで自棄な会話がこざっぱりとして心地よいです。
男同志の絡み合いもベタつかず甘さを抑えた上品な味わいです。

スイーツデザイナーという職業は初めて聞きましたがこれも素敵なお仕事ですねえ。

ウェディングケーキの話が出たので、素敵なウェディングケーキを食べたくなってしまった人はこちらをご覧下さい。
海外の結婚したい女性の為のウェディングケーキ特集です。

15マンガ「どっかのカフェマンガ1」トザキ

本アンソロジーもこちらの作品で最後です。
トザキさんのマンガ。「どっかのカフェ」の第1回です。
第1回ではカフェの店員である少女とお腹を空かせた青年が出会う場面。回を重ねる事に二人の関係も進展していきます。
ここに出てくる超トッピングドーナツ美味しそうですねえ。ドーナツ好きなんです。あとサーターアンダギーも好き。
少し離れたスーパーのパンコーナーにゴマ味のサーターアンダギーが売られていて名作だなあと。オギノというスーパーです。長野、山梨、静岡にしかないらしい。小麦粉を油で揚げる系はいかにカリカリ、サクサクするかがポイントだと思うのですがオギノのサーターアンダギーはカリッカリですよ!そして噛み締めた生地からはゴマの油がじわーっと染み出てきます。一個90円。
スイーツの本当の魅力って継続にあると思います。「お目出度い時には」「悲しい事があったら」「自分へのご褒美に」「贈り物には」このスイーツを。回を重ねる事にスイーツは存在感を増します。人生史に於いて定番化されたマイスイーツ。我々の人生はスイーツと共にあります。

今回のテーマはスイーツだけに解題も食べ物の話ばかりになりました。とにかくお腹が空きました。ケーキ食べ放題とか行きたい。大きなウェディングケーキをもう食べられないとか言いながら食べたい。
ドーナツ食べたい。あとアイスクリームでお腹いっぱいになりたい。巨大なシュークリームを食べに行きたい。全国には美味しい物が沢山ありますねえ!

どうも皆さん今月もお疲れ様でした!

アンソロジーはこちらから。

恒例の読者アンケート!!

今回の作品の中で面白かった作品にご投票下さい!優秀賞を決めます!投票締切は7月7日火曜日18時です!

次回のテーマのアンケート。次回眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーは第27集20200801号になります。是非次回もご贔屓に!アンケートの締切は7月7日18時です!

#眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー #ネムキリスペクト #小説 #スイーツ