没ネタ祭「現代詩 光の海に還ること」

本日の没ネタ祭です。神輿は一人でも担ぐアルヨー!ワッショホーイ!
この作品は伊東静雄賞という「お金も名声もない詩人」でも応募できる現代詩の公募…、に応募して落選したものです!
公募に出した作品って発表し辛いんですよ。落選となれば尚更。作品の価値が認められなかった訳ですから、作者自身も価値を見失う訳です。特にこの詩はシリアスに作ったので落選しても笑いにならない。だから余計にね、ね。
しかし、そんな繊細の時期は過ぎ、大人になった私は随分面の皮が厚くなりました。

単純にお蔵入りは勿体ないから、発表するアルヨー!ワッショホーイ!
昨日の没ネタは春の詩でしたので、本日はこの詩をセレクト。夏に作ったので夏の詩なんです。
まだまだお蔵入りの作品があるので、お優しい方は連日の投稿となりますがお付き合い下さい。
南無南無、供養でゴザル!

現代詩「光の海に還ること」

ばかで 臭くて 汚くて
のろまで めそめそして
因業はなはだしい 汚物

首をしめないでください
それはあなたの血と骨
未だ臍帯でつながっているのです
さいわいとふこうを 交換しながら

こどもを ちちははを ぶたないでください

尊いのです その営みが
ばかでのろまではじまって
ほんのひととき まともになって
ばかでのろまに戻るという
その はじまることと 終わることが
真実 尊いのです

あなたの為すべきしごとは
おさなごや ちちははを
馬鹿とののしることではありません

あなたを満たす海があって
その海流を 魚のように泳ぐこと
その海を 魚たちで満たすこと
あなたがたを包む鱗を
うつくしく ひかりに遊ばせること

深海を静かに務め
ただひたすら 深海を静かに務め
手を合わせること
それがあなた

原初あなたの血脈を孕んだ
光の海に還ること
海辺にいて
海の色と 血の色の 区別がつかず
泪を流すおさなごや ちちははを
抱きしめること

(現代詩「光の海に還ること」村崎カイロ)
第29回伊東静雄賞 応募作品

ご精読有難うございました!この作品は以前発表した「子どもをぶたないで下さい」という作品がベースになっています、確か。
明日は秋の詩を投稿する予定です!