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地域が元気を失っていくプロセスと再生への転換

今回もコチラの書籍を読んで思ったこと。

地域衰退サイクル

なかなか刺激的なネーミングですね…。
この本では、恒常的に人口減少が進む地域社会において、課題が顕在化しても解決に立ち向かう担い手=地域再生主体が生まれず、状況が悪化していく負の循環=地域衰退サイクルが起きている、と指摘しています。

地域衰退サイクル

ここで、地域課題が顕在化しても地域再生主体が生まれないのは、「何をやっても無駄」「ここには何にもない」というような地域住民のあきらめ感情、こうした「心の過疎化」の結果としています。

ひとつの要因としてはそうだろうなーと思いつつ、その他にもいくつかの要因がありそうだなと感じました。
例えば、「危機感の低さ」「非自分ゴト感」といったあたり。

「危機感の低さ」は例えば「今のままで何が悪いの?」という感情。
このような感情をもつ要因は
①今の地域が好きで変わってほしくない
②変化が見えにくく危機感を感じにくい
といったことがありそうに思います。

①について、私も今の高山村が大好きですし、変わってほしくないと思っているのですが、「変わってほしくない」から「今のまま何もしなくてよい」と短絡的に結びつくと危ないと感じています。
人口が減り、地域の経済力が低下する右肩下がりの状況において、「何もしない」は衰退の道を自ら選ぶにことになると考えるためです。

②について、地域の変化はゆっくりと長い時間をかけて進行するため、衰退の実感がわかずに危機感が生まれないことは考えられます。
数十年の年月を経て子や孫の世代には大きく変わっているのでしょうが、自分の世代ではとくに目に見える変化がないかもしれません。

「非自分ゴト感」は、地域づくりは誰かがやること、という感情。
地域に関わろうとする人が限定的で地域再生主体がおらず、課題解決が進まない…といった問題です。
地域に関心をもって参加する人の不足は、この国の多くの地域で共通かつ永遠の課題のようにも感じ、高山村もその例外ではないと思っています。

ところで、先日高山村の友人から、住民や議員の間で「人口が減るとどうなるの?どんな問題が起こるの?」という議論をしていると聞きました。
人口減少をこれから起こる現実と捉え、未来を自分ゴトで想像して考える。
とっても良いことだと思います。

この時は「村の税収が減る」くらいしか浮かばず、いったい何が問題なのか…といった雰囲気でおわったそうで、今後は問題のシミュレーション(言語化や可視化でしょうか)が課題と聞きました。
ならば、ChatGPTに聞けば、具体的な事例をたくさん教えてくれますね。
技術は絶えず進化しており、参考となる情報が誰でも一瞬にして手に入る時代です。
住民も議会も行政も、こうした先端技術をうまく使っていけると、効率的・効果的な議論ができ、スピード感ある地域づくりに繋がると思いました。

ちょっと横道にそれましたが、ここまでで述べたように、地域再生主体の不足にはいくつかの要因があるように思います。
そして負の循環によって課題が次第に大きくなり、状況が悪化し、やがてはあきらめ感漂う「心の過疎化」が生まれて更にサイクルが加速する。
そんなイメージかもと思いました。

関係人口の存在が地域再生への転換を生む

ここで、地域衰退サイクルから脱却し、地域が再生に向かって転換していくきっかけとして、関係人口の存在があることを書籍では述べています。
具体的には、地域課題の顕在化に対して、地域再生主体となって地域課題に取組む。
その影響を受けた地域住民がさらに地域再生主体に加わり、両者によって創発的に地域課題が解決されていく。
関係人口の存在によってこのような正の循環が生まれて地域課題の解決がスパイラル的に進む、このサイクルを地域再生サイクルと書籍では名付けています。

地域再生サイクル

この絵はとても納得。
takayamahubが存在する意義を再確認できました。
私たちの活動を通じて地域住民に何らかの変化が生まれ、地域再生主体となる住民が一人、また一人と出てくるといいなと思います。

takayamahubの現在地は?

では、私たちがいまそのような影響力を発揮できているかというとどうかな…私自身はまだまだかなと思っています。
関係人口が外部からの刺激となって地域に良い変化が生まれるということだと思いますが、地域住民が動いた!という実感は私にはまだありません。
逆に、実感としては「なかなかやな~~~」という感じ(笑)
関係人口が地域住民を動かすにはきっと様々な条件があって、それらをまだ全てクリアできていない状態なのだろうと考えています。

このあたりはまた別途書いてみたいと思います。

まだまだならまだまだで、もうしばらくやり続けようと今は思っています。


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