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レイモンドチャンドラーについて


皆さんはレイモンド・チャンドラーという作家をご存知でしょうか。

彼が書いたフィリップ・マーロウという私立探偵を主人公とした小説は村上春樹に大きな影響を与えました。それでいつか読もうと思っていて、遂に最近読んでみました。

私はチャンドラーの作品でも傑作とされている「大いなる眠り」「さらば愛しき女よ」「ロンググットバイ」の3作品を読みました。訳は村上春樹のものを選びました。

感想を一言でまとめるなら、退屈な小説でした。中々進まなくて、途中で読むのが何度も嫌になりました。読んだのが、ちょうどうつ病でダウンして仕事に出なくていい期間だったから読み切れたのだと思います。仕事をしながらだったら、絶対に途中で放り出していました。

じゃあ、ただの退屈な小説なのかと言われるとそれだけではないと思います。肯定的な感想も述べていきます。

まず、思った以上に村上春樹が影響を受けたのだと感じ取れる何かがありました。翻訳が村上春樹だからというのもあるかもしれませんが、それだけではないです。村上春樹が翻訳した他の海外文学も読んだことはありますが、チャンドラー作品ほど影響が感じ取れるものはありませんでした。自分の好きな作家の類似点を探す作業は楽しかったです。

次にフィリップ・マーロウを始めとした魅力的な登場人物たちが織り成す会話はウィットが利いていて読んでいて楽しかったです。

個人的な感想ですが、チャンドラーの作品は物語ではなく雰囲気を楽しむのがコツだと思います。話を追うという読み方だとイライラするだけです。シーンごとの雰囲気を楽しもうという意識で読めば、退屈には変わらないですがその退屈さも悪くはないと感じることができるのではないでしょうか。


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