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「デジタル庁」行政デジタル化の内容と成功のカギ

行政のデジタル化へ向けての「デジタル庁」が注目されています。ITで縦割り行政を打破できるか?という事と同時に、どうして「日本は行政デジタル化に失敗したのか?」と、どうすれば「行政デジタル化に成功するのか?」という点を考える必要があります。
結論から言えば、
① 国民の「HPからSNSへ」という利用時間の変化に対応する事
② 個人情報の過剰な排除を避け、同じことを何度も聞かない
③ ITの公共調達は、専門知識のない公務員相手に「低品質なものを巨額で売る」という事が多いので、目利きのできる公務員を養成する。
事が必要です。

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日本の行政デジタル化が遅れた原因は?

民間の技術革新によりSNSが進化。予約、購買、AI問い合わせなどがSNSですることが普通になり、国民の利用時間は「HPからSNSへ」と大きく変化。しかし、行政だけが、その時代の流れに合わない、国民の変化に合わないホームページに予算をかけて、国民の利用実態と乖離してしまいました。

HPからSNSへ2

国民の「HPからSNSへ」の総務省統計

国民の利用時間は、「HP」から「SNS」へ大きく進化しています。SNSが高機能になった中で、ホームページの利用時間と逆転しました。

HPからSNSへ

SNSのAPIの高機能化により、行政手続やAI搭載などができるようになった中で、時代の流れに合わせて、
・多くの人が使う高機能なSNSによるデジタル行政
・あまり使わなくなったHPによる古いデジタル行政
の2極化が進んでいます。
この国民の変化、技術の進化に対応できるか?が問われています。

給付金オンライン申請で、総務省は苦戦

給付金のオンライン申請で、総務省はマイナンバーカードリーダーとホームページに固執。文部科学省は国民が利用している高機能なLINE申請を利用。その結果、国民の利便性で、明暗が大きく分かれた。

総務省は、給付金をマイナンバーカードとそのカードリーダー機、もしくは特殊端末によるアプリを呼びかけた。しかし、マイナンバーカードリーダー機の品切れ、アプリの複雑さ、自治体の職員の工数などで批判が多かった。

マイナンバー

サイボウズの青野慶久社長のTwitter

給付金オンライン申請で、文科省は成功

一方、文部科学省や自治体などでは、マイナンバーカードリーダー機などがなくても、LINEを活用しての給付金申請を実施。学生など、多くの人が簡単に申請できた。また、一次申請だけで16万人もの学生からの申請があった。

文部科学省給付金

京都大学の曽我部真裕教授のTwitter。
マイナンバーやカードリーダー機をもっていない学生へも給付した文科省に対して。

経済産業省の事業者サポートのAIチャットボット

経済産業省は、365日24時間、問い合わせをうけるためにLINEのチャットボットを活用。また、マイナンバーカードやリーダー機を持たない人に対しても、スマホからの申請を認めたため、対応に成功した。

厚労省はLINEを使った全国調査に成功

厚生労働省はLINEを活用し、全国8300万人のユーザーにアンケート。
調査項目は体調や予防のためにしていることなどを取り、有効な対策などに活用しました。

環境省の熱中症アラート

猛暑の季節を前に、小泉環境大臣はLINEを使った熱中症への警戒呼び掛けを31日から始めると発表しました。環境省は今月から熱中症の危険が極めて高まった時に警戒を呼び掛ける「熱中症警戒アラート」の運用を関東甲信の1都8県で始めています。小泉環境大臣はLINEを使って熱中症警戒アラートを知らせる機能を導入すると発表しました。
小泉環境大臣:「我々も積極的に情報提供をしていきたいと思いますので、ぜひ、友達登録をして利用を広げて頂ければと思います」

デジタル庁構想のカギ①
「HPからSNSへ」に対応できるか?

これまでも、IT化に巨額の予算を組んできたことを忘れてはならない。
特に、マイナンバーは莫大な予算を投入して普及を促し、さらに給付金を活用して普及を狙ってすら苦戦しています。

LINEとマイナンバー

マイナンバーとSNSのAPI連携は、かつて、ニュースにもなりましたが、まだ実現をしていません。
国民があまり使っていないHPに限っていくのか?国民が使っているSNSにAPIを埋め込んでいくのか?
そこが大きなポイントになります。

デジタル庁構想のカギ②
「ワンストップ化」に対応できるか?

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民間の場合は、SNSのAPIにデータを蓄積しているので、何度も同じ内容を聞きません。しかし、官公庁・自治体の場合は、個人情報を持つのを避けるようにするため、毎回、同じ内容を聞いてしまいます。上記のマイナポータルのLINEアカウントすら、同じ内容を聞いてしまうアカウントです。
個人情報2000個問題と言われるデータの取り扱いが地域によってバラバラで活用できないという課題の解決も含めて、進めていかないといけません。

デジタル庁構想のカギ③
目利きができるか?

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公務員がITに関する発注をする場合、専門知識がないので、低レベルなものを巨額で買わされていることが多いです。原価が月3000円のシステムでも、前例主義で大手ベンダーから買わなくてはいけないため、200万円で同じものを購入してしまった事例も見ました。
民間企業でIT製品やサービスの調達を担うマネージャーは、ITベンダーとの交渉でコストを最適化させなければならないため、専門知識がある上に値切ります。しかし、公務員はそういう事をしません。また、技術の進化が激しいため、最新のものがどんどん出てくる業界ですが、前例主義によって古くて高くて悪いものを買ってしまいがちです。。
公共のIT調達は「高かろう、悪かろう」
民間のIT調達は「安かろう、良かろう」
というのが常識ですが、この現状を打破する目利きが必要です。
この目利きをする公務員を、特定の民間ベンダーから出向で受け入れるというのが、最悪のシナリオです。
しっかりとプロパーの養成をしてほしいです。

参考





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行政と教育を専門分野にする ITエンジニア。 元文部科学大臣政務官。東日本大震災の2011年に史上最年少で衆議院災害対策特別委員長。 情報処理技術者、AI、WEBアナリスト、SNSエキスパート、ITパスポート930点 https://www.muraimuneaki1.com/
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