読書メモ(猫目石)

■感想

・各々の嘘がばれ、平穏を取り戻すために坂口を殺したが彼女の飼い猫はそれをずっと見ていたというのが猫目石の由来かなと思った。結果的に父は仕事を探し、母はツナ缶の万引きをやめ、妹も援助交際をやめたのでハッピーエンドではある一方、それは坂口さんの死によってもたらされたもので湊かなえらしいイヤミスだな〜と思った。

■作者と概要

・作者は湊かなえ。短編集「サファイア」の中の一つ。いなくなった飼い猫を探すマンションの隣人を手伝うことにした大槻家の一家。猫は無事に見つかったものの、その日から隣人は大槻家の家族それぞれに話しかけるようになり各々が知らない家族の秘密を知ってしまうことになる

■よかったインプットメモ

・告げ口は良くない。本作品でも父が実はリストラされていたこと、母親が万引きしていること、娘が援助交際をしていることを坂口さんは各々に告げ口をし、結果的に事故に合うように一家に仕向けられてしまう。バレた時には怨みを買うし、バレなくても良い事象を引き起こさない

・嘘は罪悪感をもたらす。「バレないはずのことをなぜ家族が知っている」という不安はバレた時だけでなく、嘘をつく時にも生じている。嘘が与える心理的な負荷は大きいと再確認

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