読書メモ(ガーネット)

■感想

・時間をおいてサファイアの最後の作品を読んだ。主人公の憤りが本を書くまでの熱量になり、結果的に幸せな真実を知ることにつながるというストーリー展開が以外であった。思い込みと自分の尺度で測りがちな価値観について考えさせられた作品

■作者と概要

・作者は湊かなえ。短編集「サファイア」の最後の一話。サファイアとセットの話になっている。彼を失った主人公が作家になり彼を殺したであろう犯人に向け作品を書くと、それがきっかけで偽物の指輪を買わされたという女優と手紙の主と接触する機会を得る。その指輪によって幸せになっており、彼が自分のどんなところを好きでいたかを知ることができた。

■よかったインプットメモ

・人間は悪い方に錯覚する生き物である。本書でも彼が誰かに殺されたかもしれないというある種の思い込みが彼女に本を書かせるまでのエネルギーを生んでおり、そのエネルギーの大きさは計り知れない。結果ポジティブに働いたがネガティブに働くこともある。思い込みか事実かはしっかりと見極める必要がある。

・どんなことでも誰かにとっては良い結果を生むことがある。本書でも騙されて買った指輪で女優に上り詰めた人もいれば、ものの見方が変わり幸せになった人もいる。物事は全て捉え方次第である。おそらく営業も自分は良いと思っていなくてもそれを欲している人もいる(もちろん押し売りは良くないが)という前提に立つと営業活動自体への思いも変わってくるのではないか


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