見出し画像

君たちはどう生きるかの考察うぜーと思ってるひと聞いてくれー

 宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」にとても感動したのですが、ネットのレビューは「意味わかんね考察厨うっざ。」という感想が多く、その気持は分かる!でもそんな賢い感を出してくるダルい考察なんか不要なんだ!惑わされないでくれ!という文章です。
 崇高な引用とかでケムに巻く感じじゃなくてストレートに書いてるつもりなので軽く読んでほしい。

 【以下ネタバレ】なので見てない人はまず映画を見てください。事前情報なしで映画見るのは本当にスリリングで楽しい体験でした。なお家族みんなで見に行くとかはおすすめしません。


この映画の主題

 この映画はお母さんに「あんたはいい子だ!」と言ってほしい。という映画です。
 細かい色々はあるんでしょうが、とにかくそれが主題です。願わくばお母さんに「あんたを生んで死ねるならそんな人生最高だ。」と言ってほしい映画です。

 だから、映画のタイトルが意味するのは、「俺(宮崎駿)はお母さんに褒められるように生きてきた(映画を作ってきた)。君たちもそういうふうに生きてみたらいいんじゃない?」ということです。個人的にはこんな素朴で素直なことを80超えたおじいさんが言うということに感動してしまいました。
 あんたは偉いよいい子だよ。と誰か宮崎駿に伝えてやってくれ……でも彼がそう言ってほしいのはお母さんだけなのだ。

マジでお母さんの事が好きすぎるでしょ

 本当にお母さん大好きに溢れた映画で、死んでしまった本当のお母さん大好き、義母も大好きマジ美しいなぜ父親と結婚してしまったのか!世話してくれるおばあちゃんも大好き。そのおばあちゃんの若かったころも大好き。本当のお母さんの若かったころも大好き。
 宮崎駿ロリコン説はよく聞く話だと思うのですが、そういう訳では無いと思います。というかもっと怖い話で、彼はすべてのお母さんが好きなのです。若かろうがババアだろうが子供いるかいないかも関係ないのです。

それだけ

 色々な考察ができる作品だとは思いますが、それらは所詮枝葉であって、核心部分としてはお母さんに褒められるように生きられたらいいよねー。っていうだけの映画なんじゃないかなぁーと思う次第です。
 なんでそれだけの為にあんなごちゃごちゃした話を?という風に思われるかもしれませんが、むしろそれだけのことのためにこんな不思議な映画を1本作ってしまうような変な人が、普通なことを言っているという所が面白いのです。

 「主題がわかったとて、普通に映画としてつまんなくね?」という感想は、私も理解できます。最初書いた通り家族みんなで見に行っても面白くないでしょう。ただまあ、考察厨が賢ぶって面白い映画だと言っているとは思ってほしくないなぁと思ってこの文章を書きました。

 なんでも世界一とすぐに比較できる現代社会において、「お母さんに褒められたら100点!」ってすごくいい提案だと思います。自分がどこまで頑張ればいいか分からなくて疲れてしまう人は多いです。
 もうお母さんには会えないから褒めてもらえないとか、家庭環境的に良い母親じゃなかった人もいると思います。でも、そんなひとも夢の世界で若くて無垢な優しいお母さんに会いに行って、褒めてもらってください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?