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小規模特認校

神戸市には小規模特認校という公立の小学校があります。校区内には入学する児童がいないので、市内から通える児童を募集するというものです。全校でMAX50人程度の児童数。息子はASDで不器用さ、コミュニケーションが苦手、聴覚過敏や周囲への気遣いなどHSPの傾向もあるので、こういった少人数の学校がもしかしたら合うのかもしれないと思い、8月、親子共々かなり前向きな気持ちで説明会に参加しました。

結果、誤解を恐れずに書きますが、公立学校なのに「児童を選ぶ」学校だと感じました。児童と保護者に求める資質や役割のハードルが高すぎるのです。例えば、
・一年生の入学直後から運動会での披露に向けて一輪車の練習を開始します
・下校は全校児童一斉下校なので、1年生は慣らし期間はなく入学翌日から6年生の下校時間に合わせます
・秋の校内キャンプには「うちの子はまだ外泊したこともなく苦手なんで・・」と言わず参加してください
・全員の前でプレゼンをする機会が1回はあります
・5年6年は英語劇やります
・保護者は自分の子が該当してなくても、入学式・卒業式には参列して、他の学校行事にも参加必須
・年に数回ある地域行事にも参加
・PTAの役もあり
といった感じ。
支援級もあるし、活動だけじゃなくて学習面でも出来ないこと苦手なことはきっと一緒に取り組んで熱心に指導してくれると思う。少人数だからこそ、じっくりと向き合って教えてもらえるでしょう。お友達の励ましもあるでしょう。
でも、うちの息子は自分だけ(他に出来ない子がいたとしても自分だけと感じてしまう)うまく出来ないという状況でどこまで「やってみよう」「やり切ろう」と気持ちを奮い立たせて頑張れるか。遠くから自力で登校し、何事にも一生懸命に取り組む子が集まっている中で、果たして劣等感を感じず、感じたとしてもそれに抗ってチャレンジし続けることができるか。
息子の成長を一番近くで見てきた親としての答えは「否」だと判断しました。

説明会で上記のことを聞くと、うちのように無理だなと判断する家庭もあるでしょう。それが良くも悪くも「児童を選んでいる」と思ったのです。学校側としては入学したら卒業まで在籍しないといけないから、児童に負荷をかけてはいけないという考えがあるのは当然理解できるし、入学前に聞けて良かったと思っています。
ここに入学して不登校になった場合も考えました。今なら徒歩20分の距離なので遅刻して登校するにも1コマ登校するにしても私が付き添うことは可能だけど、電車で1時間近くかかるとなると行けなくなり始めたら最後、その時はもう全く行かなくなる、と考えました。リスクが高すぎる・・・。

かなり期待していた小規模特認校は諦め、来年度から支援級に転籍することにしました。息子は特認校の少人数制や田舎にあるところが気に入って、何度か朝に電車に乗って登校練習もしていたので、残念だったと思うけれど、こればっかりは仕方ない。親がしっかり判断しないといけないことなので、しっかりと理由を説明をして納得してもらいました。支援級に行くことを嫌がったらどうしようかと思っていたけど、すんなり承諾が出て学校へ転籍手続きをお願いすることになりました。

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