【頻出】著作物の引用要件はココだけ抑えれば1問ゲット!知財管理技能検定2級・3級過去問【出る順解説】
過去問を分析していると、「あれ?この問題しょっちゅう出題されてるな」って思うコトがよくあります。各法域の保護対象、登録要件、手続き、例外規定などです。出題する立場に立ってみると、ある程度のパターンが見えて来るので、「ココだけ抑えれば1問ゲットできる」という重要ポイントを記事にして行きます。
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著作権の制限規定
我が国の著作権法は「著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」を目的とします(著1条)。著作者等の権利を保護してくれるんだけど、国としては文化の発展に寄与させるのが目的なのです。
なので、TV番組を見逃さないように録画しておくとか、研究論文を書く時に先行研究の成果を引用して来るとか、一定の「例外的」な場合には、著作権等を制限して、著作権者等に許諾を得ることなく著作物等を利用できます(著30条〜47条の7)。著作物等を利用しようとする度、許諾・使用料の支払いが必要となると、著作物等の公正で円滑な利用の妨げとなり、文化の発展に寄与することを目的とする著作権制度の趣旨に反するからです。
とはいえ、著作権者等の利益を不当に害さないように、また、著作物等の通常の利用が妨げられることのないよう、その条件は厳密に定められています。
原則として出所の明示をする必要(第48条)
複製物を目的外に使うことは禁止(第49条)
著作権が制限される場合でも、著作者人格権は制限されない(第50条)
引用要件の出題傾向
著作権の制限規定の中でも、引用要件は出題されることが多いです。例えば、直近10回分の3級の過去問を調査したところ..
表1に示される通り、第41回を除く全ての実施回で引用要件が出題されていることが分かりました。3級では、特に、学科試験で問われやすいようです。なので、一般公開されている直近3回分の過去問を解いておくと、おおよその傾向が掴めます。問われる内容も難しくは無いので、ぜひとも得点源にしてちゃいましょう。
(ちなみに、第35回は新型コロナウィルスの感染防止のために検定そのものが中止でした。)
引用要件で抑えておくべきポイント
公表された著作物であること
引用が公正な慣行に合致すること
報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれること
さらに、判例などで示された要件も追加すると..
明瞭区分性(引用する部分を括弧で区切るなど)
主従関係(引用側が主、被引用側が従)
出典明示(著49条)
改変等しないこと(著50条)
過去の出題から傾向を読むと、以下の項目も抑えておいた方が良いでしょう。
営利目的は問わない
著作権者等に通知をする必要はない
引用要件の出題例
正解 ア
引用の要件に営利目的は問われない。
正解 イ
営利目的は問われない。権利者に通知をする義務もない。
まとめ
以下の記事で、著作権法について簡単に説明しています。実際の出題例も解説しているので、著作権法の全体をザックリと知りたいって人は、ぜひ見て下さい。
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