第2話

※これから記載する内容は実話を元にしたフィクションです。

早速その週に新歓があるというので、そこに行ってみることにした。
花見という名の、ブルーシートを広げ、ただお酒を飲みゲームをしているだけのその空間に、「リア充」を感じた。
この一週間でテニスサークルなどの新歓にも顔を出していたが、広研の新歓にくる新入生は一段と派手な髪色やピアスを開けたメンバーが多かった。
おそらく高校時代から、その学年で目立つ存在だったのだろう。
女の子の中には、失礼だがキャバ嬢にしか見えないような子もおり、本当に慶應生なのか?と疑いたくなるほどだった。
そんな面々が新入生だけで少なく見積もって50人以上はおり、先輩も含めれば100人弱の大所帯だった。

コール、イッキ飲みが続き、吐いている1年生も多かった。
私もお酒には慣れておらず、初日からトイレで派手に嘔吐した。
それでも待ち望んでいた大学生活が始まったという実感があった。

その日に私は入会するために、形式的に紙に学部と氏名、メールアドレスを記した。
そして飲み会の中で顔見知りになった先輩に連れられ、同期メンバーと雀荘に繰り出し、覚えることを勧められた。

それから2週間ほどが経過し、大学の授業にはほどほどに顔を出し、雀荘に足を運び、夜は飲み会に精を出すような生活を送っていた。
全てが新しく、楽しかった。

そんなある日突然、メーリス(今でいうところのLINEグループ)で招集がかかった。

「4月12日(金)0時、1男は全員日吉の銀玉集合」

広研の古くから続く伝統、「男飲み」だ。
この時はまだこの儀式の恐ろしさを私は知る由も無かった。

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