第4話

5月に入ると、大学の勝手が少しずつ分かってくる。この授業には出なくても良い、ヒヨウラ(日吉の裏に広がる飲食街一帯を指す)に何があるか、食堂のたまり(各サークルが主にたまっている定位置)の配置などだ。

新入生がどこのサークルに入るかを決めた後に待ち受けるのが新歓合宿である。ここで更に親睦を深めようというわけだ。私は広研以外にもサークルに入っていたため、どこの新歓合宿に行くか非常に悩んでいた。そしてその結果、ダンスサークルとテニスサークルの新歓合宿へ行くことにした。

広研が選択肢に入らなかった理由は、実は以前の飲み会の最中に、泥酔した広研メンバーに胸ぐらを掴まれ、いわれの無い理由でどつかれたからである。そんな経緯もあり、他サークルの新歓合宿へ参加し、友人という名の顔見知りを増やし、無難に5月を終えた。

その頃には雀荘へ頻繁に入り浸るようになっていた。必修の語学にのみ出席し、それを終えると雀荘へ直行。徹マンの頻度も週に1度や2度ではなかった。幸い日吉や元住吉に住んでいる同期が多く、実家には帰らず、友人の家を渡り歩くような生活をしていた。

後日広研の同期から聞いた話では、私は参加しなかったものの、かなり淫乱な新歓合宿だったようだ。

当時の広研は自粛期間中だったため、イベントとらしいイベントは飲み会しかなかった。(他にはミス慶應コンテストの運営くらい)

雀荘に入り浸っていたこと、他サークルでもそれなりに楽しんでいたこともあり、大1の後半は広研からは少し遠のいていたと思う。そんな私が再びどっぷり浸かるようになるのは大2の夏からである。

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