組織屋としての矜持~良いコアバリューとは~
2023年9月に、ベストセラー作家である北野唯我さんが書かれた『キャリアを切り開く言葉71』に、私のことについて3ページにわたって言及していただきました。大変驚きました。
こちらは私が参加している北野唯我さんのオンラインサロンにて「サロンのコアバリュー※を作りたい」というリクエストを、彼から貰ったところからスタートしました。
※コアバリューとは、組織の構成員が判断したり優先順位付けをする際、基準やモノサシになるものです。他にも行動指針やプリンシパルなどの表現をしている会社もあります。
短納期だったものの、私が勝手にコピーライティングするのではなく、予め北野さんと要件をすり合わせし、オンラインサロンメンバーとのセッションを2回行った上で、エッセンスを抽出して言葉を紡ぎあげました。
内容の詳細は、当時サポートしていただいたプロジェクトメンバーの前中さんが、ものすごく丁寧に文章に起こしてくれていますので、そちらをご覧ください。
https://note.com/myou_810/n/n8733a416a76d
今回は経営者である北野唯我さんになぜ刺さったのかを考えてみました。
これは結論から言うと『キャリアを切り開く言葉71』にも書いていただいる通り、UX(顧客体験)に基づいてコアバリューが設計されていたからです。
ここに私なりの味付けがあり、単なる言葉遊びではなく、メンバーの具体的な思考や行動を実際にそうさせるよう、意図的に方向性を揃えています。
もう少し具体的に言うと、オンラインサロンに参加したメンバーがどんな気持ちで・どんな活動をするかをイメージしながら、その場その場で「こういう風に考えて欲しい」「こう行動して欲しい」という想いを言葉にしています。
これを会社組織に当てはめると、コアバリューによって様々な年次やバックグラウンドを持つ社員の思考や行動を一定のパターンに揃えていくということです。
もっと言うと、会社が業績を高める・目標達成に近づくために、社員の思考や行動を成功確率の高い方向に持っていくということです。いつも「理念や人事制度で業績を高める!」と覚悟を持って関わっている私にとっては、非常に肝の部分であり、大事にしている部分です。
少し余談ですが、昔、リンクアンドモチベーション時代に30社ほどの競合他社を調査したことがあったのですが、組織と事業を適切に・効果的にリンクさせているコンサルティング会社は見たことがなかったです。(人事コンサルが事業まで踏み込んでいるのは、ほぼ皆無でした。HP上では本当に効果があるのか分からないですね)
換言すると、組織と事業をリンクさせ、業績を高めるのは本当に難しいことなんだと思います。
私も昔は全然それができなくて、一時期は組織人事領域コンサルなのに、事業コンサルのことを延々と勉強していたことがありました。
ボスコンやマッキンゼーの外資系コンサルタントへのヒアリングや事業フレームの徹底なトレーニング(数を決めて毎日世の中の企業をフレームに当てはめる)などをやりました。
今では一通り、事業のことが分かるようになって、組織とのリンクのさせ方が分かるようになりました。
最後、まとめになりますが、企業にとって組織や人事は大事な半面、それを事業と繋げられる人材が少なく、どうしても切り離されて考えがちになっていると思います。
これは社内だと人事、社外だとコンサルティング会社やアウトソーシング会社等がそれに当たります。
その両方が分かっていて、事業上の効果を出すことを目的に人事や組織のことをて語れる人が経営者に重宝され、他者との差別化要因になるんだと思います。
偉そうに話している私もまだまだ勉強不足であり、引き続き様々な業界の人と接点を持ちながら、新しいことを学んで実践していきます。
今回は北野さんに取り上げてもらって感じたことを、忘れないように言葉に残しました。
→この本を読んでいない方は、是非ご一読をお薦めします。北野節炸裂でビジネスを面白い切り口で切り取られているので、皆さんのヒントになること間違いなしです。