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初めてのツアーを終えて

昨年残念ながら延期になってしまったものの、無事に開催が決定し、更にスペシャルゲストまで迎えて遂に実現したScar Symmetry来日ツアーですが、私のバンドDesolate Sphereは光栄なことに3日間オープニング・アクトを務めることができました。

昨年末にCryptopsy来日公演のオープニング・アクトを務めたため、来日公演に出演するのは初めてではありませんでしたが、3日連続ライブ、そして名古屋でライブするのは初ということで、当初は正直不安もありました。

ただいざ始まってみると、あっという間に3日間が過ぎたというのが終わってみての実感で、更に結果的に経験としてかなり大きな糧を得ることができたと思います。

今回起用していただいたEVP様、Yamaさん、関係者の皆様、そして3日間ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
まだライブ活動を始めて2年という私達がこうした貴重な経験が出来たのもひとえに皆様のおかげです。

さて、今回の記事ではこの3日間のツアーで起こった事、感じた事などについて書いていきます。
都合上書けないことや、細部を省くところもありますが、記憶の新しいうちに出来るだけ伝えていければと思います。

それでは、まずは1日目の名古屋場所からです。


1日目(名古屋)

初日は名古屋ということで、2年振りの遠征(前回は京都)。
バンドの遠征というと機材車で移動するイメージがあるかもしれませんが、新幹線で行きました。

名古屋に到着した筆者

早めに到着したので、名古屋駅の喫茶店で小倉トーストを食べて(美味かったです)、当日の会場であるLion Theaterに移動。名古屋というと今池3STARやHUCK FINNのイメージが強いですが、どうやらLion Theaterはアイドルがメインのハコでメタルで使われることはほとんど無いようで、実際壁一面がアイドルのポスターでした。

搬入を済ませた後は、Scar Symmetryや他の2バンドの面々がやって来るのを見つつ、自分達のサウンドチェックの番が来るまで待機。

今回のツアーでは、新幹線移動だったこともありこれまで使っていたAxe-FX ⅡではなくLINE 6のHX Stompを使ったのですが、Scar SymmetryがHX Stompをボードに組み込んでいたのを見て、彼らクラスのバンドにも使われる機材なんだなと(システムはScar Symmetryの方が複雑だと思いますが)。
サイズはコンパクトながらも中身はHelixですから、今後も積極的に利用していこうと思いました。

この日は都合上、私達のサウンドチェックはお客さんが入った後となりましたが、このことは想定内でした。今後活動を続けていく上では、起こり得ることでしょう。

📷: @ForgetMeNotJuno

私達にとっては初めての名古屋でしたが、ステージから見ていた印象として、お客さんはかなり温かく迎えてくれていたと感じました。
当然、ここは私達の方から盛り上げるべきところで、事実、盛り上げに努めていましたが、OAという立場、そして初見の方が恐らくほとんどといった中で、お客さんの反応は好感触でした。
当日名古屋で私達を見てくれた方々には感謝の意を表したいです。また必ず名古屋に戻ります🤘

📷: @ForgetMeNotJuno

余談ですが、この日撮影スタッフとして入ってくれたIn My ConvictionsMasaki君(@ForgetMeNotJuno)は筆者とはもう7,8年くらいTwitterで相互で、今回遂に会うことができました。なんだか初めて会った感じがしないくらい話に花が咲きました。
他にも久々に会った友人や、ファンの方ともエンカウントできましたが、こうして会えるのは遠征の醍醐味ですね。

ちなみに、In My Convictionsは私も少しだけ関わったことのあるメタルコアプロジェクトなので、是非チェックしてみてください🤘
あと名古屋方面でカメラマンをお探しの方は是非Masaki君に依頼を!

我々の出番後は、この日私は諸々対応等行っていたため、ライブを観れたのはScar Symmetryだけだったのですが、当然ながらめちゃくちゃ上手かったです。

特にPer Nilssonについては言わずもがな、説明不要の上手さでしたが、もう1人のギターである今年新加入のStephenも相当な実力者でした。

個人的にScar Symmetryは昔結構聴いていたので(特に3rd)、「Morphogenesis」や「Ghost Prototype I」を観れたのはかなり嬉しかったです。

この日は楽屋が別だったこともあり、他の来日バンドと絡む機会は少なかったのですが、Orpheus Omegaのメンバー達とは話すことができました。

自ら物販に来て私達のバンドに興味を抱いてくれたりとめちゃくちゃフレンドリーだった彼らですが、特にギター/ボーカルのChrisとはDark Tranquillityの話をしたりと(筆者は出番の後にDark TranquillityのThe Galleryのシャツに着替えていました)、まだ様子見感はありましたが、彼らとは初日から話すことが出来ました。


名古屋遠征となった初日ですが、なんやかんやで気が付けば終演後を迎えて撤収、朝から新幹線で移動したこともあって疲れていましたが、翌日も早かったのですぐにホテルに戻って身体を休めました。


2日目(東京)

前日は昼から撤収までハコにいましたし、この日も朝から東京に移動したので、当然ながら全く観光できなかった名古屋ですが、名古屋らしい駅弁を購入。
今回は旅行ではなかったですがこれもまた遠征の醍醐味でしょう。味の方は勿論美味しかったです。

名古屋自体は行くの2回目でした。

ありがたいことに初日に想定していたよりも物販が売れたので、当初の予定を変更して一旦自宅に戻って物販を補充した後、新宿へ。

ここでなんと、新宿駅で降りた際にScar Symmetry御一行に遭遇。
前日ほとんど話していなかったのもあり、特に話しかけたりもせず後ろから付いていく形になってしまいましたが(汗)、まぁ人生で二度と無さそうな経験ですね。


というわけで到着したHoliday Shinjukuですが、場所としては歌舞伎町のだいぶ内側の方で、周りはホストクラブやら何やらという立地でしたが、ハコの内部は個人的にはなかなか好印象でした。

この日の楽屋はOrpheus Omegaと同じだったんですが、これはかなり良い方向に作用しました。
同じ部屋なので当然コミュニケーションが発生するわけですが、ここで彼らと仲良くなるきっかけが生まれたなと。

オーストラリア出身のOrpheus Omegaですが、所謂オーストラリア訛りはイギリス英語とアメリカ英語の中間といったところで、普通に聞き取りやすかったですね。

他のバンドがサウンドチェックを行っている間、たまたま楽屋で2人だけになったので今年加入したキーボードのCampbellに話しかけてみたところ、デジモンが好きということが判明(今回のツアーは彼が加入して初めてのライブだったようです)。
筆者はデジモン通っていないので全く分からないんですが、彼らに限らず、ある一定の世代から日本のゲーム、アニメ、漫画に馴染み深いことが多いという印象があります。
Chrisも足にポケモンのケンタロスのタトゥーを入れていたので、いかに日本文化が欧米で浸透しているのが分かるかと。

今回のツアーとは全く関係無いですが、アメリカのOSDMバンドVoidCeremonyのGarrettも日本のゲームが好きで、ポケモンやドラゴンボールやフロムゲーの話をインスタでしたことがあります。
AlcestのNeigeもナウシカが好きみたいですし、とにかく先人の偉大さには頭が上がりません。

あと上でも書いた通り、Orpheus Omegaの面々は全員フレンドリーだったわけですが、とにかく明るいというかコミュ力が凄いなと思いましたね。
メンバー同士でもよく喋っていて、海鮮を食べていたのか、Campbellが初めてワサビを食べてビビっていたのに対して、Chrisはワサビは元から平気なようで、海外の人達らしく(?)ワサビで盛り上がっているのを見て、なんだか嬉しい気持ちになりました。


さて、この日は30分弱押しての開演となりました。

この日の私達のサウンドチェックに関しては、前日以上に早急な対応が求められる場面でした。
私達の準備は少し早く終わっていたのですが、いずれにせよスタートが相当に押していたのは事実だったので、1曲削ってのライブとなりました。

📷: @kichi_dl

私達がリハを開始することができた時間的にかなり厳しかったので、正直大幅に曲を削ることを覚悟しましたが、1曲のみで済んだことに関してはYamaさんに感謝したいです。

また、お待たせしてしまったお客様に対しても、この場を借りて感謝したいです。
この日は日曜日だったこともあってかなりの人数がいましたが、恐らく初見だったという方がほとんどだったという中で、盛り上げることが出来たのではないかと思います。

@kichi_dl

この日も感触としては好意的な反応が多かったという印象で、中には私のEdge Of Sanityのシャツに反応してくれていた方も。

時間は前後しますが、開演前にはScar SymmetryのボーカルRoberthも私のシャツに反応してくれました。
実はRoberthはEdge Of Sanityに1枚だけ参加していたという経歴があり、この場では軽くでしたが会話ができて嬉しかったですね(着て行って良かったです)。
好きなバンドのTシャツから生まれる会話ってライブならではだと思いますし、これからも大事にしていきたいですね。


前日は観れませんでしたが、この日はOrpheus Omegaのライブを観ることが出来ました。
曲についてはキャッチーなモダン・メロデスでカッコ良く、更にとてもエネルギッシュでした。パフォーマンスについては、彼らのようなライブを見るとやはり見習う点が多いなと。

3日間通して私が物販にて応対を行いましたが、ご購入いただいた方、立ち寄っていただいた方、ありがとうございました。

ありがたいことに2nd EPシャツのLサイズが完売しました。

この日はなかなか慌ただしかったというのもあって、そうこうしているうちにPersefoneとScar Symmetryのライブも終了。

気が付けば帰路についていたような状況でしたが、翌日に早起きせずに済んだので、かなり身体を休めることができましたね。


3日目(東京)

この日も前日と同じく会場はHoliday Shinjukuでした。

前日と同じ会場、なおかつ最終日ということもあって(若干)心の余裕があったので、この日はリハ前に弊バンドのドラマーであるOmura君と腹ごしらえしました。

久々の歌舞伎町二郎。麺少なめヤサイマシ(ニンニクは抜き)。美味かったです。

3日目となるとすっかりOrpheus Omegaの面々とは打ち解けることができており、前日にCampbellがデジモン好きということをOmura君に伝えたところ、この日彼の私物のカードを持ってきてくれて、Campbellにプレゼントしていました。
デジモンのみならず、遊戯王のカードも持ってきていたようで、かなり喜んでくれていました。

楽屋で主に喋ったのはCampbellとChrisでしたが、他のメンバーのMattLeonLukeとも既に仲良くなれていたように思います。
オーストラリアの話や日本の話など、私のみならず弊バンドの他のメンバーも彼らと話していましたし、やはり同室になれたのは大きかったですね。

前日にCampbellが私達のバンドのシャツを買うよと言ってくれていたので、私も彼らのシャツを購入して、ライブでも着用しました。
プレゼントするよとは言ったものの、買ってくれたのでその気持ちがとても嬉しかったです。

筆者とCampbell

更には、Campbellの使っているキーボードが日本製だったこともあって、最高音のキーに私のバンドのメンバー全員にサインを書いて欲しいと言われて、これまた嬉しかったです。

今回の記事、半分くらいOrpheus Omegaとの交流に関する内容になってしまいそうですが、しかしそうは言っても、こうした繋がりってかけがえのないものだよなと感じずにはいられません。
私がそれなりに英語が出来るとはいえ、それ以上に音楽を通じてこうして海外の人と仲良くなれるって「メタルに国境は無い」を体現している経験ですし、一期一会というものを実感した3日間でした。


さて、なんだか記事の締めくくりのような文章を書きましたが、3日目はまだまだ続きます。

この日は、私達もオープン前にサウンドチェックを行うことができました。

ここで、曲を合わせていたところ、なんと視界にScar SymmetryのPerが私達の演奏を見ているのが入って、内心かなり緊張しました。
いや、普段からリハでも緊張感は持つべきなんですが、流石にPerや他のメンバーに見られているとなるとそうならずにはいられませんでしたね…。
とはいえ、見てくれていた全員が好意的な反応をしてくれたため、自信に繋がりました。

あと、この日ようやくPersefoneのメンバーと話せたんですが、リハ前に私のギターを見てCarlosが反応してくれたのも嬉しかったです。
日本では全然見ないクラックル塗装のギターですが、やはり海外ではTBDMのBrandon Ellisをはじめ、一定数使っている人がいるためか、反応されますね。
初日でしたが、Orpheus OmegaのChrisにも反応されました。

今回のツアーとは無関係の写真ですが、筆者の所有しているクラックル塗装のギター2本。右はつい最近買ったばかり。
いかにもメタルといった派手な外観ですが、Jacksonなので質は素晴らしいです。日本でも流行って欲しい…。

肝心の我々のライブの方はどうだったかというと、この日は3日連続ライブの最終日だったこともあり、最も良いライブが出来たのではないでしょうか。

📷: Yuzi Okumura

Orpheus OmegaのChrisが3日間はウォームアップだよ、と言ってましたが、なるほどその通りかもしれないと思いつつ、それ以上の日程をこなすのは大変だよなとも思いました。
そんなOrpheus Omegaも、この日はベストな状態でライブ出来ていたようで、更に魅力が伝わるライブだったと思います。筆者も思わずサークルピットで走ったりW.O.D.に加わったりしました。

この日ようやくPersefoneを観たんですが、想像以上に素晴らしく、かなりテクニカルなのに全員涼しい顔でライブしていてめちゃくちゃカッコ良かったです(他の日も観れば良かった…)。

3日間に渡るツアーの大トリを飾るScar Symmetryも無事に終了し、大団円…と言いたいところでしたが、残念ながらPersefoneは翌日は中国でライブということで、打ち上げには参加せず終演後すぐにホテルに戻っていました。

とはいえ、短い時間でしたが、ギターのCarlosや他のメンバーと話すことができました。
特にCarlosからは、「これからもギターを続けて欲しい」というエールを貰い、モチベになりましたね。

Carlosと筆者。この時触れませんでしたが、ドラゴンボールのシャツを着ていたので日本好きのようです。
他のメンバーとも。ドラマーのSergiは後で軽く挨拶だけしました。
ちなみに4人編成でライブやってましたね。

というわけで、この後はいよいよお待ちかね(?)の打ち上げだったわけですが、かなり有意義な時間を過ごせましたね。

Orpheus Omegaのメンバーと更に交流できただけでなく、Scar Symmetryのメンバー、特にRoberthとはスウェディッシュ・デスメタル談義が出来て最高でしたね。Dismember、God Macabre、Interment (SWE)、Crematory (SWE)、At The Gates、Dark Tranquillity、Gates Of Ishtarあたりの話をしているうちに、初めから気さくな人でしたが、更に心を開いてくれたような気がします。彼がいたDarkifiedのデモ音源集のCDを持ってると言ったら驚いていました。

Roberthと筆者

Per Nilssonは残念ながら先にホテルに戻っていましたが(事前に写真撮りたかったですね…)、Roberth含め他のメンバーはいたので交流することができました。

Scar Symmetryのもう1人のギターであるStephen。イギリス人ということもありとても紳士的な方でした。
ドラマーのLawrence。
もう1人のボーカルのLarsとは写真撮れなかったんですが、軽く会話はできました。

そろそろツアーレポも終わりに近付いていますが、やはり最後に書きたいのは何と言ってもOrpheus Omegaとの交流でしょう。

特にキーボードのCampbellやギター/ボーカルのChrisとは楽屋等でも会話しましたが、打ち上げでは更に色々と話すことができました。
ドラマーのMatt (Chrisの弟)とも、ようやくここで落ち着いて話すことができた気がします。

昨年末CryptopsyのOAとして出演はしたものの、1日限りで時間も限られていたのあって、今回初めてこうして共演した海外バンドと親睦を深めることが出来たのは、本当にかけがえのない経験となりました。

しかも、Orpheus Omegaが全員フレンドリーだったというのもとてもポジティブな気持ちになれましたし、他の2バンドについてもそうですが、絶対にまた彼らとライブしたいなと思います。

Desolate Sphereはまだ海外でのライブ経験はありませんが、最初に行くのはオーストラリアが良いな、そう思わせられる程Orpheus Omegaのメンバー全員が素晴らしい人達でした。

Desolate SphereとOrpheus Omega (右の2人はお客さん)
筆者の帰り際に撮った1枚
同じく帰り際に撮った1枚

メロデスが好きな人は勿論のこと、メタルが好きな人は是非Orpheus Omegaのことをチェックして、現在新譜を制作中のようなので(今回新曲「Emberglow」を初披露していました)、彼らがまたすぐ日本に戻ってこれるようにサポートしていきましょう!


というわけで、最後にこの3日間をまとめて振り返っていきたいと思います。

冒頭でも書いた通り、素晴らしい経験になったというのは間違いなくて、音楽活動をしている者として貴重な経験をさせていただけたと思います。
改めて、Yamaさん、そしてEVPの皆さんには感謝の意を表したいです。

ただ、私達ばかりが受け手となっていてはいけないというのは事実で、今回お客さんからの反応は総じて好感触ではありましたが、今回の経験を活かして更に上のレベルを目指していかなければいけない、という風に(毎度ながら)思いました。
お客さん達をしっかりと楽しませられるようなライブをし、そしてファンの数もどんどん増やしていく…そのためにもよく考えて練習、制作等含めて活動を続けていく必要があると改めて実感しました。

とはいえ、終わりよければ…ですが、やっぱり楽しかったという気持ちが先行する、そんな素敵な出会いに恵まれたというのも事実なので、そこは素直に書き留めておきたいなと思います。

私達自身の反省点や改善点にも勿論目を向けつつ、その場その瞬間では楽しかった…というのが健全というものでしょう────。


さて、次回のDesolate Sphereのライブは6/20(木)のSpectral Wound来日公演です。

ブラックメタルバンドの前座というなかなか異色の組み合わせではありますが、滅多に観る機会が無いと思うので、是非足を運んでいただければと思います。

チケットはこちら:


それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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