見出し画像

【チューニング記/RCF】現状把握の結果#1/全4回

主旨


この"チューニング記"は私が愛車・LEXUS RC Fを、"走りの性能"をより追求して磨き上げていくことをテーマにした雑記です。

官能性の高いV8エンジンを心臓に持ち「こんなクルマでサーキットを走ったら絶対に気持ち良い!」と思わせるRCFですが、実際にサーキットで走らせてみると意外と「市販車」としての制約や、より広いユーザーを満足させるために"敢えて尖らせなかった部分"もあるようだと感じます。

そこでRCFが持つ世界観を大切にしつつ、量産状態を"原石"と捉えて"走りに寄せた研ぎ込み"をしたらどこまで"走りの性能"が引き出せるのか?という興味と野望を持ってRCFにチューニングを施します。

その様子を、「面白そう」と思って頂ける方に少し覗き見して頂くという趣旨のコンテンツです。

ノーマルRCFのインプレ


今日の話は「ノーマルのRCFってどんな感じ?」という内容でお届けします。
今回の内容はどうしても長文になってしまうため、「読んでられるか!」と思われてしまわないように、各回ごとに完結の全4回に分割してお届けします。

RCFの全体感


前回の投稿で、現状把握はまずは「全体を見渡す」ところからと紹介しましたので、全体感から行きますと、RCFはこんな印象の車です。

車の性能要素を

  • 走り(加速、旋回、減速)

  • NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)

  • 燃費

で考え、それぞれを5点満点で評定しました。

「"NVH"?何ソレ?」という方にもお届けしたいことから
"ハーシュネス"は"乗り心地"と置き換えてあります。

#ゴツゴツした感じ
#段差や継ぎ目で突き上げる感じ
#これで大体合ってます。

3点を平均で考えた時に、乗り心地と燃費以外は好評点をつけています。

こんな感じで整理すると、この車がどんな車なのかが分かりやすいと思います。「RCFは"快適な直線番長"だよ」ということですね。(笑)

#なんて分かりやすい車

各評点の理由


それでは、各評点の細かな理由を書いていきます。

加速の採点理由

というわけで、まずは加速。
これは5点満点中3.5点を付けました。

#あれ?
#そんなに低いの?

RCFの魅力の一つである「どこまでも伸びていくような加速」はこのクルマの購入理由でもあるのですが、もうとにかく理屈抜きに気持ち良いです。

RCFの心臓。2UR-GSEエンジン

最高出力477馬力を絞り出す5.0L V8エンジンの2UR-GSEに、8速A/T「8-SPEED SPDS」が組み合わさり、心地良いサウンドを放ちながらドラマティックな加速をしていきます。

この加速感は最近のターボ車と比べたら実は絶対的な速さは無いのですが、加速に伴って変化するサウンドとビート感が最高で、「何も不満はない」と思わされます。

#一言で言うと
#強烈に気持ち良い
#5点なのでは

それでも5点がつかなかった理由は過敏なアクセルペダル特性とトラクション性能の悪さによる失点です。

コーナー立ち上がりにアクセルを踏み始めるとき、車にはまだ横Gがかかっていて慎重なアクセル操作が要求されます。
しかしRCFのペダル特性、特にSPORT S+モードの特性は「ペダルを僅かに踏んだだけでスロットルがガバっと開く」という特性で、シビアなペダル操作を要求されます。

#パワフル感の演出
#スポーツ走行でなければ楽しいんだけど
#スポーツ走行では"じゃじゃ馬"特性

アクセルワークは日々鍛錬しているものの、スポーツドライビングは道具を使ったスポーツですから道具の性能や特性も無視できません。

慣れればOKという特性と、慣れない特性というものがあり、
過敏なアクセル特性は頑張っても慣れません。ここは自分の要求と合わないところです。

#懐が浅い

ノーマルモードの特性は自然で悪くないので、ノーマルモードで走れればそれでも良いのですが、悩ましいことにSPORT S+モードでないと動かない機能があって、スポーツ走行はSPORT S+モードで走りたいんですよね。

#VSC EXPERTモード
#ASC(アクティブサウンドコントロール)
#メーター表示
#などなど


もう一つのトラクションのかかりにくさですが、これは「アクセルペダルが敏感過ぎること」も一因なのですが、旋回でロールが進んでいる状態や、右→左と切り返しながらアクセルを入れた時に、タイヤのグリップがすっぽ抜けるんです。

「スコーン!」と足払いされるような挙動で怖い

例えばで言うと、鈴鹿サーキットの2コーナー立ち上がり、デグナー2の立ち上がり、ヘアピン、スプーン、シケインと、立ち上がりで横Gが残っているとアクセルを開けていくと急にリヤが流れ出す。

#ほぼ全部やんけ
#タイヤはノーマル


VSC(スタビリティコントロール)をONにしておけばそれでも怖くない感じに整えてくれますが、車にアクセルを閉じられ、ブレーキをつままれてという走りになり、それでは気持ち良くないですしブレーキに関しては消耗が早まります。

ですから、この辺りを「加速」に対する不満点としてピックアップして、チューニングしていこうという認識を持ちました。


当時、チューニングショップとインプレ共有した動画がありますので、
ここまで読んでくださった皆さんへお見せします。

「加速」以外の観点も出てきますが、特に動画後半の"ダメ出し"では、いかにこの車が前に進まないかが見て取れると思います。

#ドライバーの腕もあるけど
#そこは今はご容赦頂いて

こういう挙動は前車・マークXでのチューニングの経験上「消せる」と確信があるため、敢えて厳しく突っ込んだというのもあります。

このクルマは加速こそが操る醍醐味だと思いますから、ここはきちんと整えていきたいところですね。


この挙動はパワフルな車だったら当たり前と思って付き合っている方もRCFオーナーの中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、「パワフルだからこそ緻密にコントロールできなければ怖い」「懐が深くなければ怖い」のです。

自分の運転で何とかする部分と、車側の特性をきちんとしたものに変えていくべき部分があり、そこを見極めてやっていくのがチューニングです。

何でも道具のせいにしては成長できませんが、
何でも運転のせいだと片づけてしまってもいけないのです。


厳しく言いつつも、本当に最高の車ですよ。

今回はここまでです。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
もし面白いと思って頂けるようでしたら、また次回も読みに来てください。