見出し画像

【チューニング記/RCF】ENKEI GTC02導入編

主旨


この"チューニング記"は私が愛車・LEXUS RC Fを、"走りの性能"をより追求して磨き上げていくことをテーマにした雑記です。

官能性の高いV8エンジンを心臓に持ち「こんなクルマでサーキットを走ったら絶対に気持ち良い!」と思わせるRCFですが、実際にサーキットで走らせてみると意外と「市販車」としての制約や、より広いユーザーを満足させるために"敢えて尖らせなかった部分"もあるようだと感じます。

そこでRCFが持つ世界観を大切にしつつ、量産状態を"原石"と捉えて"走りに寄せた研ぎ込み"をしたらどこまで"走りの性能"が引き出せるのか?という興味と野望を持ってRCFにチューニングを施します。

その様子を、「面白そう」と思って頂ける方に少し覗き見して頂くという趣旨のコンテンツです。

今日は社外アルミホイールのENKEI GTC02導入についてです。


ホイール交換の必要性


RCFに限らず、純正ホイールの性能は結構馬鹿にできないものです。
リム幅やオフセットなど、純正状態は開発者がトータルで最適であろうと考えたサイズになっており、また耐久性面でも不安は少ない状態になっています。

ですから、「とりあえず純正より社外品の方が良いと思うから」みたいな適当な理由であれば純正ホイールの方が良いかもしれません。

#目的が不明確なチューニングはイマイチ

私は純正ホイールでは実現できないことがいくつかあったため、
やむなく社外ホイールを採用しました。

私がホイールに求めたのは以下のようなことです。

①フロントタイヤ幅の拡幅に合わせたリム幅アップ
②脱着手間を小さくするために60度テーパーナットに対応
③破損時の再入手コストを抑える


また、選定に際してこんなことも考えました。

・ブレーキキャリパーのクリアランス(搭載隙)
・車両コンセプトに合ったデザイン
・ホイールが持つキャラクター

これらがそのまま今日の目次となります。
順に語っていきますね。

そして今日の記事の最後に装着したホイールの仕様と、
装着写真を載せます。


変更理由①フロントタイヤ幅の拡幅に合わせたリム幅アップ


フロントが重く、否が応でもフロントタイヤの負荷が大きいRC F。
ただ曲がるだけであればノーマルサイズでも曲がれはしますが、タイヤの摩耗を考えるともう少し拡幅したいと考えました。

出来ればリヤと同一サイズに出来れば前後でタイヤをローテーションすることでランニングコストを抑えることもできます。

ノーマルのサイズでもサーキットを走らせてみたのですが、フロントタイヤは呆気なくやられてしまいました。

アウト側のブロックが・・・

主にスパ西浦と美浜サーキットで走り込みをしていたのですが、
左フロントのブロックがこんな風に飛んでしまったんですよね。

まぁ、、、こういうのは半分はドライバーの腕ではあるのですが、
単純に「ドライバーの腕」で片づけるならこの投稿シリーズの意味もないと思います。

#ドラテク練習記になっちゃう
#お前のドラテク研鑽になんて誰も興味ない


というわけでモノをきちんと考えていきます。
私はサーキット走行歴9年半。タイヤをこういう風に壊したのは初めての経験です。それまで乗っていた車、使っていたタイヤとの差を考えてみますと、今回の車・今回のタイヤは8年ちょっと乗ってきた前の車とは特徴が違うんですよね。


過去私が使ってきたタイヤは
・DUNLOP DIREZZA ZII STAR SPEC
・BRIDGESTONE POTENZA RE-71R
・BRIDGESTONE POTENZA RE-71RS
といったハイグリップタイヤ。いずれもタイヤのブロックが大きく、ある程度負荷をかけてもトレッドが剥離しにくいタイヤでした。

図はRE-71RS。ブロックが大きな面として繋がっていて、大きいんですよね。
だから負荷が分散します。余程使い込まないと剥がれてきませんでした。


一方でPS4Sはこんなパターン。

特にタイヤ外側の角の部分はブロック一つ一つが独立していて、それらのブロック一つ一つには負荷が集中しやすくなっています。

これは今回チョイスしているタイヤがスポーツドライビングよりも普通のストリート走行を優先しているというキャラクターだからですね。

ちなみにハイグリップタイヤにしなかったのはサーキットの楽しみ方のコンセプトを自分の中で変えたからです。
ラップタイムを追求するよりも『上手に走れるようになりたい』ということを優先にした場合、ミシュランPS4Sのようなタイヤの方が良かったんです。

ハイグリップタイヤはタイヤ表面の粘着力が強く、走行中にコース上から拾うタイヤカスでラップタイムが落ちたり挙動が変わってしまうため練習には向かない。周回数が多くなっても同じように走れるミシュランPS4Sに魅力を感じ、今回の車はタイムが数秒落ちてもいいからPS4S前提で行こうと決めたんですね。


話を戻します。

ブロックが飛んでも空気が抜けてきたりせず、このままどうにか走れるというのは”流石ミシュラン“なのですが、5月に下ろしたタイヤが9月時点でこうなってしまってはちょっと・・・

#妻に怒られてしまう
#2年使うという約束が0.3か月ほどで終了
#約束が違い過ぎる

「練習=周回数多い」という構図は変わらないため、同じように走ってもこうなりにくい車にしていくことは必須でした。

それでイメージしたのはタイヤ幅の+20mmアップ。

ノーマルのRC Fはフロント255/35R19, リヤ275/35R19というサイズなのですが、フロントも275/35R19にして4本通しにすることです。

純正ホイールは幅9.0Jで、255mm幅のタイヤにフィットするサイズです。
275mmにするには10.0Jか、9.5Jは欲しい。それでフロントはホイールを変える必要性が生じたんですよね。


変更理由②脱着手間を小さくするために60度テーパーナットに対応


サーキットを走らせていると、DIYでホイールを脱着してメンテナンスを行ったり、時にはサーキットで短時間でホイールの脱着を行う場面もあります。

そんな時に、純正ホイールは少し不便だったりします。
どこが不便なのかというと、「ナットの座面」です。

純正ホイールはこの通り「平座」(ナットの座面が完全に平らな面となっている)です。

(調査しておよそ狙いは分かったものの、)確証がないので記載は控えますが純正ホイールが平座ナットを採用するには様々理由があるようです*が、
脱着時の手間を考えるとやはり60度のテーパー座面が最も便利です。

60度テーパーであればセンターのハブをハブリングで芯出し出来ていればあとは均等に少しずつ締めていけばきちんと位置出ししながら締まっていきますが、平座の場合は回転方向にホイールとハブボルトの位置関係がズレているとホイール孔にがボルトが通っていてもナットがハマらなかったりするなど不便なんですよね。

うっかり気づかずに締めてしまうと座面やハブボルトに変な力がかかったりして、時間に迫られて作業する時にこの特性はミスを誘発するなと。

こんなところにも純正ホイールから変えたいというニーズアリなんです。

純正ホイールが60度テーパー座だったらリヤのホイールをもう2本買って純正ルックでフロントに履かせるなんて言う選択肢もあったかもしれません。


変更理由③破損時の再入手コストを抑える


ホイールは大事に使っていても消耗品です。
実際、なかなか「劣化したからそろそろ買い替えよう」とはならないのですが例えば一般道走行時にガリガリと擦って傷つけてしまったり、サーキット走行したときに高さのある縁石に乗せて歪めてしまったりといったアクシデントがないとも限りません。

実際前の車の時は上記例のいずれのパターンも経験しており、
急遽ホイールを買うという一幕がありました。


そんな時に再入手のコストを抑えることは不意の出費を抑える上で効果的です。
RCFの純正ホイールは非オプションの標準ホイールでもBBS鍛造で1本16万円超(税抜き)。

これだと再利用不可な壊れ方をした場合には再入手のコストが高すぎるなと思うんですよね。


ENKEIであれば再入手のコストと品質のバランスが良く、また納期もそう長くないので良い選択かなと思います。


その他ホイール選びに関する思考


その他、以下のようなことを考えて選択しました。

・ブレーキキャリパーのクリアランス(搭載隙)
 ブレーキを純正キャリパー/ローターからAP RACING製に換装することが決まっていたため、キャリパーの搭載隙を検討しました。
 検討方法はお世話になっているチューニングショップでフィッティング用の図面を作って頂き、原寸で印刷して当ててみるというアナログな方法です。

AP RACINGのキャリパーも同じ6POTでもブレーキパッドの厚み違いでサイズが2バリエーションあって、どちらにしようかは心底悩みました。
(パッドが小さい方にすれば熱容量が足らないリスクが、パッドが大きい方にすればパッドのカタカタ音(異音)が出るリスクがあったからです。
パッドのカタカタ音のほうが乗っていて我慢できない可能性が高かったので、小さい方のキャリパーにしました。熱容量が実際足らないのであれば、足らないと分かった状態のほうが仮に異音が鳴っても割り切れると考えたからです。まだ富士スピードウェイを走行していないので分かりませんが、今のところ、熱容量は概ね足りる感触です。)


・車両コンセプトに合ったデザイン
・ホイールが持つキャラクター
RC Fは車が持つ優美な雰囲気が魅力的な車です。
またそれと同時にSUPER GTに登場するようなアグレッシブな雰囲気も併せ持つ車で、ホイールは「ヤンチャすぎず、エレガント過ぎないスッキリとしたもの」が良いなという思いで選択しました。

やはり車のパッと見た時の印象の大部分を占めますからね。ホイールデザインというのは。

ENKEI GTC02はクリーンなデザインで、「SUPER GT用ホイール「RAシリーズ」のデザインと設計思想を落とし込み」と明記されていたのでイメージピッタリだなと。



 

ホイール装着写真


長文にお付き合いいただきありがとうございました。
まぁそんなことを考えまして、ENKEI GTC02の19inch 9.5J+45(フロント)と19inch 10.0J+40(リヤ)を導入しました。

フロントも10.0Jにできるとより良かったのですが、ホイール周辺との干渉について確認してからでないと当たる可能性もあったので冒険せず。

装着写真はこんな感じです。

交換はPIT STATIONさんにて。
イメージ通りの見た目になりました。
写真はまだノーマル車高の状態で、ここから少しだけローダウンします。

今回はここまでです。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
もし面白いと思って頂けるようでしたら、また次回も読みに来てください。