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いまのあなたの仕事を、あなた自身で定義するとどうなりますか?NASAの例をみて考えてみましょう

仕事をするうえでの、主体性とかやる気とか情熱とか、
そんなことをツンツン刺激される本だった。

『伸びるためのヒント42』(本の泉社)
著者の渡辺幸啓さんは、キヤノンでカメラではなく、
若手社員のためにオリジナルの教育プログラムを開発している。
わたしも田原総一朗さんのスタッフとして右往左往していた若いころ、
経営企画にいらした渡辺さんに、なにかとお世話になった。
対応がものすごく速いし適確、こちらが求めている半歩先まで応えてくれる。
ので、絶大な信頼をおいていた。

その神対応のなぞが解けた。
たとえば、「良いマイペースをつくる」。
マイペースが「自分勝手」にならず、もともとの意味の
「自分に適した速度で、物事をすすめること」(デジタル大辞林)
にするためにはどうしたらいいか。
渡辺さんは、
いつ何が起きるかを把握したうえで、いま何をするか、しなければならないか、
という発想で仕事の計画を立て、段取りを組んでいくことです。(p169)

いつ何が起きるかを把握?

把握する対象は、社会、業界、自社とさまざまにあり、多様・多層です。極論すれば、どんなことであれ、知っていて得することはあっても、損をすることはありません。
思いつくままに例をあげてみましょう。
社会でいえば、アメリカやロシアの次の大統領選挙が行われるのはいつか。中国の国家主席の任期はいつまでか。次のG7はいつどこで開催されるのか、通常国会・臨時国会の日程、各種統計(例:GDP、失業率)の公表日、などなど。
業界でいえば、たとえば東京モーターショーなど、展示会の日程。
自社でいえば、予算決算スケジュール、取締役会や経営会議など重要会議の開催日程、決算発表日程、株主総会開催日、入社式、新人社員研修日程、上司や同僚の出張スケジュールや誕生日、などなど。(p170)

世の中の流れを知ることで、仕事が半歩先かつ神的になる。
これは「ジョブ・クラフティング」を自らおこなっているからで、
つまり、仕事の意味付けを自分でやっている。
仕事の意味付けを従業員のために施策としてやるのが「ジョブ・デザイン」だとすれば、
仕事の意味付けを自分で主体的にやるのが「ジョブ・クラフティング」。

Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグが広めたエピソードとして有名な、NASAの掃除担当者。
ケネディ大統領がNASAに視察に行き、所内で掃除をしている人に声をかけた。
「ごくろうさま、なにをしているんですか?」
「大統領、わたしは人類を月に送るお手伝いをしているんです」

自分の仕事を自分で定義づけするためには、
いろんなこと、世の中の流れを知っておくのも重要だし、

「仕事をするときは、上機嫌でやれ」(アサヒビール会長樋口廣太郎)
「最善を尽くし、一流たるべし」(聖路加国際病院創始者ルドルフ・トイスラー)

手を抜かない、横着しない、質を高めること。

この本、入社して3年間で身につけることを書き綴っているけど、
50代のわたしが読んでも、背筋がピッと伸びる。

さて、二〇代のうちは、上司や先輩からいわれるとおりに仕事をしているだけでも、経験による慣れから自分の能力が年々伸びていくような気になります。
しかし、自分で考えて主体的に仕事を進めるということを怠っていると、三◯代になったころには「難しい仕事は頼まれない人」になってしまいかねません。難しい仕事というのは「やりがいのある仕事」と同じですから、ことは重大です。(p6)

ツンツン刺さった。