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満天の星空にソロサウナ

ソロサウナを楽しんだ。

「つなかん」は気仙沼駅からクルマで30分、
唐桑半島の鮪立漁港の近くにある民宿。

歴史は古くない。創業2012年、ようやく来年で10年。
人気は高い。宿主イチヨさんに会いに、どこからでもやってくる。
料理はうまい。夏はカツオ、秋はサンマ、冬はホタテやカキ。

211105満天の星空にソロサウナ4

震災ボランティアたちのために自宅を開放したのが始まりで、
屋号「つなかん」は、ボランティアの若者たちが名付けた。
この辺り一帯の家屋は唐桑御殿と呼ばれ、
遠洋漁業での稼ぎをどんとつぎ込んで、
漁師たちが競って豪華な家を建てた。
つなかんも唐桑御殿で、部屋数がけっこうあるので、
家族は別宅に住み、自宅を民宿にした。

つなかんに来たボランティア若者たちがそのまま移住するパターンもよくあり、
唐桑半島は、とくに女子の移住者が多くて、
IターンでもUターンでもJターンでもない、
Penターンと呼ばれている。
Peninsula(半島)のPenターンだ。
住まいを唐桑に移して、漁業だったり農業だったり、
起業して地域に役立つ仕事をして暮らしている。

そうした型にはまらない若者たちと、
しゃべりっぱなしで、笑わせっぱなしのイチヨさんと、
半島の森と小さな漁港とが、
いい感じのハーモニーを奏でている。

6年ぶりにつなかんに来たら、サウナができてた。
できてた、といっても、キャンピングカーをサウナ仕立てにリメイクしたもので、
定員4人ってところだろうか。
でも昨日はお客さんがわたしのほかにひと組しかなく、
サウナはわたし一人しか使わず、
ソロサウナ、ということになった。

211105満天の星空にソロサウナ3

薪を細く割って火をつけ、
30分ほどガンガンに焚いて、
50℃から60℃ぐらい、
水風呂は山の湧水を「24時間365日源泉かけ流し」(イチヨさん)、
気温は10℃ぐらいで、外気浴もOK。
夕方からだんだん夜になってきて、
やがてものすごい星空に。

211105満天の星空にソロサウナ2

ぐわーっと身体を温めて、
サウナカーを出て冷たい外気に身を晒して、
さらに冷たい水風呂にどぼーん。
上がって身体を拭いて、再びみたび、サウナへ。
これを繰り返して、外気浴で星を眺める。
しかも、すべてひとりっきり。

この間、何を考えていたのかというと、
何も考えてなかった。
何も考えられなかった。
ひたすら気持ちの良さに、身も心もまかせていた。