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大事なのはハングリー精神ではない

「Stay hungry, stay foolish !」
スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で語った言葉。

ハングリー精神を失うな! ぐらいに解釈していた。

でもなんか、いまは違った意味を感じている。

ひとつは、これはジョブスががんを宣告されたあとだったこと。
自分の直感や心に従うことの大切さを改めて感じた、
とう文脈ででてきているけど、

「ちきしょう、コンフォートゾーンからまた追い出されたぜ。
ちょくしょう、2度目だぜ。Appleからも追い出されたし。
そんときと同じだ。
でも見てろ、また復活してやる!」

っていう、自分自身でファイティングポーズとった、
自分自身を鼓舞する言葉だったんじゃないか、と。

もうひとつは、
「Stay hungry, stay foolish !」
は、1970年代にアメリカの若者が熱狂した『The Whole Earth Catalog』という本の背表紙に書かれていた言葉だったこと。

誰もが買った本にあった、誰もが読んで知っているその言葉を、
スティーブ・ジョブズは「ハングリー精神を失うな」よりも大きな意味を感じていたのではないか、ということ。
みんなが見落としていたことに、ジョブスはチャンスを見出した。

チャンスはそこら中に転がっている、
それに意味づけできるかどうかだ。
ということ。


『新板 ミーニング・ノート』 山田智恵 金風舎 2021年