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学校の制服は貧困をなくす?

釜石高校の「SSH課題研究発表会」にいってきた。
(Super Science High school)

少人数のゼミ(チーム)に分かれて、
いろんな課題の発見と解決に取り組む。

めっぽうテーマがおもしろく、
<アロエの紫外線カット効果の検証と日焼け止めつくり>
実はアロエは役に立たない。けど、アロエの粉末は紫外線をカットする。
いろんなフルーツをつかって日焼け止めをつくってみた。
なにより、日焼け止めが手づくりでできるのが驚きだった。

<被災して困っている人に食で元気を与えよう>
消防士や防災士、管理栄養士たちに取材をして、
じっさいに自分たちで炊き出し食をつくってみた。
避難所生活が数日続けば、いろんな不満が出てくる。
食に対してのストレスも貯まる一方で、
そのとき炊き出しや防災食の知識があれば、
避難所での働き手やカウンセラー的な役割もできる。

<ロシア・ウクライナ戦争>
ウクライナの歴史をきちんとおさらいし、
侵略する国の指導者と、国際社会の融和精査によって、
世界大戦につながっていくことをシミュレートする。

<位置情報サービスを活用した避難誘導の可能性について>
これはすごかった〜。
大津波警報が出た場合、
どこにいても最短で最適な避難場所までナビで誘導するアプリ、
のモデル。
大きな揺れと同時に「きけん! にげて!」という表示が画面に出続け、
避難場所に到着すると「もどるな!」に変わる。
東日本大震災では「迷っているうちに」「気がついたら」逃げ遅れていた人たちがたくさんいた。
発災時に自宅やオフィスにいるとは限らない。
見知らぬ土地にいることもあるだろう。
そのとき、安全な場所に連れて行ってくれるナビアシステムは、
ぜひともすべての地図アプリに実装してほしい。

<釜石高校制服革命 〜Let's make new uniform>
「革命」なのにゆる〜く「Let's make new uniform」。
このギャップがたまらない。
釜石高校全生徒にアンケートをとったら、
69.1%が「制服はあったほうがいい」
と答えている。
さらにその理由は「楽だから」が80.7%

高校生がおっさん化している!

このゼミが調べたところによると、
日本の学校制服は明治期に「貧困をなくす」ために生まれた。
お金持ちの子も貧乏なウチの子も、
みんないっしょの格好をする。

いっけん良さげに思えるが、
それは貧乏を隠しているにすぎない。
あるいは、貧困を隠しているだけかもしれない。
またあるいは、新たな貧困をつくっている……。

学校の制服は貧困をなくすか、かくすか、つくるかだ。