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同世代からの語り継ぎ

釜石の実家に帰省してきている早大生リホに、
インターンで釜石に来ている大学生スギヤマさんとホンマくんを連れて、
伝承施設「いのちをつなぐ未来館」を案内してもらった。
リホは大学3年生、スギヤマさんとホンマくんは大学2回生。

結果として、とてもいい伝承活動になった。

リホは早稲田大学で大隈塾を履修していた。
2011年の震災時は、小学校2年生。
通っていた小佐野小学校では、直接津波の被害にあった友だちはいなかった。
でも、卒業して釜石中学校に進学したら、
そこには釜石小学校から来た仲間がいて、
釜石小学校の児童の家は津波の被害が甚大だった。

当時の釜石中学校は、
津波の被害にあった子とあわなかった子たちが入り混じっている学校だった。

だけどリホも津波の被害にあってないだけで、
当時の大きな揺れや、長い停電や、その後の復旧復興の様子は、
生活の中で体験してきた。

そうした体験を、未来館の展示物を見ながら、
ひとつ年下のスギヤマさんとホンマくんに話をしていた。
リホは当時のことやそのあとのこと思い出し思い出し、
スギヤマさんとホンマくんはその話を受け止めて、
自分たちの考えや感想を語り返す。

放課後みんな帰宅していた釜石小学校、
まだみんな学校に残っていた鵜住居小学校。
避難訓練が功を奏して、自分で自分の生命を守った児童たち。
「奇跡」だと最初は呼ばれたが、
奇跡でもなんでもない、訓練してたからできた出来事だった、
という釜石の公式見解にも触れていた。

未来館には、所属しているプロフェッショナルな語り部がいる。
語り部さんたちが語って伝承するのもいいけど、
同世代の子に語ってもらうのもいい。

3人の様子を見ながら、そう思った。