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59歳の田原総一朗さんと

田原総一朗さんとランチした。

田原さんとはもう30年のお付き合い。
スタッフとしてリサーチしたり対話の相手になったり、
いっしょに取材にでかけたり本をつくったりしてきた。

わたしの人生にとってもっとも大きく強く影響を与えてくれたのは、
早稲田大学での大隈塾だった。

いやいやまだまだ、なんか弔辞書いてるみたいになってしまった(笑)
89歳、絶好調だった。

田原さんの食事はほとんど、特別メニュー。
田原さんの身体の調子に合わせたもの。
健康にはすごく気を使っている。
(好き嫌いの激しさとも密かに思ってるけど……)。

白っぽいものをよく召し上がる。
ごはんは白ごはん。炊き込みごはんは食べない。
豆腐、よく食べる。
魚は白身魚。鯛だのヒラメだの。
コーヒーは黒いから飲まない。
お酒はもっと飲まない。
お酒飲まないのに、テンション上げられる。

89歳、テンション上がれば激昂年齢70代かなと。
そのくらい、スイッチ入ったときは元気いっぱい。

で、いま気がついた。
89歳で30年のお付き合いってことは、
出会ったときは59歳! いまのわたし(57歳)とほぼ変わらない。
びっくり。

それはそれは、フルスロットルのときだった。
「◯◯ってどう思う?」
と聞かれてわたしなりに答えると、
「ぜんぜん違う!」「まったく違う!」

何をいっても否定されるので、
だんだん慣れてきて答えを3つぐらい用意しても、
「違う!」
跳ね返される。

でも、田原さんの答えは、
発想とか切り口が思いもよらなかったものだったし、
まったく知らない情報だったし、
田原さんが間違ってるときもあったけど、
それでも学びになることが多かった。

取材やインタビューするとき、
わからないことは素直に質問してた。
相手は田原さんぐらいの人なら当然知ってるだろうと、
からかわれているんだろうと思っているときもよくあって、
でも、ホントに知らないことは知らないから教えてくださいと、正直にいってた。

知ったかぶりしないで、尋ねてみる。

大企業の社長、会長、政治家、官僚たちと田原さんとの対話を、
たくさん直接聞くことができた。

人に会いに行くことの大事さ。
「ぼくのは全部一次情報だから」
正しいんだと、田原さんはよくいう。
一次情報が必ずしも正しいとは限らない、
踊らせているだけかもしれない、
だから一次情報だからといって鵜呑みにはできないんだけど、
伝聞ではなく、メディアで見聞きしたことではなく、
現場に行って、本人と直接会って話を聞く、
ってことの大事さ。

議員としての心構えだなあと、
ランチが終わってから気がついた。