見出し画像

タカラヅカのナゾ〜ファンクラブ編

宝塚歌劇団って、なんであんなに人気があるんだろう。
広告宣伝も対してやってないのに。

長年の疑問だった。

ということで
「100年続く宝塚の魅力とファン・マーケティング」
というテーマで、大隈塾コミュニティの学びのイベントをやった。

1914年、未婚の女性だけで構成される世界でも珍しい劇団で、
花・月・雪・星・宙の5組に、それぞれ約80人で、
男役と女役のトップスターがいる。
組ごとに交代で公演している。

ゲスト講師は、呉由香(くれゆか)さん。
18歳で宝塚に合格。宙組男役・潮和歌(うしおわか)として7年間舞台を務めた。
退団して勉強し直して、早稲田大学第二文学部(いまの文化構想学部)に入学。在学中は大隈塾も大隈塾ゼミも履修していた。

タカラヅカは100年続いている。
「清く、正しく、美しく」女性が男役を演じる虚構の世界、
その独特の世界観もさることながら、
やっぱりファンクラブのあり方なんだろうな、と思った。

ひいきのスターの成長を見守る。
まだひよっこだけど、自分の理想の男性像を表現している。
その役者さんが、スターの階段を上がっていく。
「推し」そのもの、っていうより、
「推し」がタカラヅカシステムをなぞっている。

「スターもまた、自分のファンたちを大切にし、視線を注ぐことで、感謝やエールを送る」

呉さんはいう。
エールか。がんばって!

そのファンクラブは、「私設」。
自分たちでつくって、運営している。
・お稽古出入り待ち
・公演出入り待ち
・お弁当差し入れ
・公演チケットの手配
・ファンクラブグッズの製作
・お茶会の開催
・ファンクラブ入会勧誘

すべてボランティアで、「推し」の卒業、退団とともに、
そのファンクラブも解散して、
次のトップスターのファンクラブが、
その「組」のファンクラブたちの上にに君臨する。
だから、組織が淀まない。
経年疲労しない、常にフレッシュさを保つ。

感謝とエールを、スターとファンが相互に交わすコミュニティ。
タカラヅカのナゾがひとつ解けた。