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長寿化の時代には、未来に向けて十分に準備しなかった人はやがて深刻なリスクに直面する。

『ライフシフト2』を、だいたい読み終えた。

この本がいいたいことは、ふたつ。

ひとつは、「3ステージからマルチステージ」。
人には「ステージ=期間」があって、これまでは、
・フルタイムで教育される期間
・フルタイムで働く期間
・フルタイムで引退生活を送る期間

それぞれきっちり決まっていた。
しかも日本は、
・働く会社もひとつ
だった。

ところが、平均寿命が伸びるし高齢者が多くなるしで、
フルタイムで引退生活を送るのが難しくなる。
おまけに、AIとかテクノロジーが進んでいくのも確実で、
そうなると今まで働いていた仕事が自動化され、
解雇されるか減給される恐れが大きくなる。

だから、働きながら学び、スキルを上げていくか(スキルアップ)、
新しいスキルをつけていくか(リスキリング)。
あるいは、しばらく仕事を休んで学ぶこと、休むことも、
身体とココロの健康には大事。

ということで、それぞれのステージをいったり来たりする「マルチステージ」な生き方にシフトしていくこと。

ココロと身体の健康、というと、
じつは年齢の捉え方も考え直してみる、というのがふたつめの論点。

これは、
・生まれてから現在までの年数(暦年齢)
いままでこれしか年齢として認識していなかった。
というか、これしかないと思っていたら、
・生物学的年齢(肉体がどれくらい若いか)
・社会的年齢(社会でどのように扱われているか)
・主観的年齢(自分がどのくらい老いている、若いと感じているか)
を、話のネタではなく、統計とか政策にきっちり反映させている必要がある、ということ。

そして、自分自身の人生設計としても、暦年齢はどうやっても抗いようがないから、
生物学的年齢を維持するために身体を動かし、筋肉のコンディションを整え、
社会的年齢を下げるために常に学び続け、チャレンジし、
主観的年齢を下げるために前向きに、マインドフルに生活し、働いていく。

ということ。

長寿化の時代には、未来に向けて十分に準備しなかった人はやがて深刻なリスクに直面する。(『ライフシフト2』p299)


『ライフシフト2』 アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン著 池村千秋訳 東洋経済新報社 2021年