#釜石ランチ 「あゆとく」のスリランカ風カレーと鶏の唐揚げ
創業82年、ラーメンとカレーと唐揚げ
釜石でランチの情報といえばがんちゃん(@feriaskamaishi)。
フェリアス釜石(釜石まちづくり会社)のがんちゃんといく釜石ランチ。
3回目の今回は、「お食事ハウス あゆとく」。
「一人でも入りやすいですから、よく来ます」
というがんちゃんと、あゆとく名物「スリランカ風チキンカレー」と鶏の唐揚げ。
チキンと鶏唐でトリかぶりじゃないかと思うかもしれないが、
鶏唐は「釜石ナンバーワン」の呼び声高く、
本格カレーも釜石では食べさせる店があまりない手薄なメニューとなっていて、
どっちも外し難い、ので、あえてここを攻める。
鶏の唐揚げは細長くて、見た目からして独特。
釜石らしくサイズもデカい。
食べてみると、
カリカリっとしたコロモ、味付けは塩でジューシーなお肉。
たしかに「釜イチ」かもしれない。
メニューの唐揚げとはサイズが違うので、
どんなサイズのが流行っているのか、ちゃんと研究されているのかも。
あゆとくは、1940年の創業。今年で82年。
初代の鮎田徳二郎さんの名前をちぢめて「鮎徳」、
からの「あゆとく」。
いまのご主人が3代目にあたる。
いよいよカレーに
4代目になるはずのご子息が、東京で修行してきた結果がカレー。
あゆとくでは、スリランカ風と欧風カレーの2種類ある。
といっても、カレー専門店での修行ではない。
師事したのは、フレンチの鉄人ムッシュ坂井宏行さんだ。
(『料理の鉄人』、なつかしい)
でもなぜフレンチからカレー……?
という疑問がわいてくるが、ここはまず食べてみる。
がんちゃんもわたしも、スリランカ風チキンカレー、レベル3。
スリランカ風カレーは辛さえおレベル1から6まで選べて、
激辛好きに人気なのがレベル3、で+10円。
(初めてのお客さんはレベル3まで、となってるらしい)
レベルが上がるごとに+10円になって、レベル6は「やば〜い辛さ」と書いてある。
ひと口食べる。
ほんのり甘い。りんごっぽい甘さか、野菜の甘さかな。
甘く感じた3秒後ぐらいに、スパイシーな辛さがやってくる。
これは美味しい。
これまで体験したことのない、固定概念をぶち壊して、
これまでの体験をアンラーニングするような、
そんなスパイスカレー。
チキンも形やサイズ的に骨付きかな? と思ったけど、
骨なしで食べやすかった。
美味しい。スパイシーで、フルーティーで、とても美味しい。
でもなんか、アンラーニングではあるだけに、
もやもや、腑に落ちないところもある。
カレーの達人に聞いてみた
ので、「釜石でカレーといえばハヤシくん」というハヤシくんに、
このもやもやをぶつけてみた。
「あゆとくのカレー、ぼくも好きですよ。
一見すると純日本の食卓カレーみたいですけど、
食べてみるとちゃんと個性があって、
食べ飽きない構成がうれしいです」
ハヤシくんは学生時代、南インド系のカレー店でアルバイトをし、
カレーに開眼してつくり方を教わった。
そして大学を卒業し、働き始めても、カレー職人の夢をいだきながら、
しかし飲食とはまったく関係ない会社で働いている。
けど、去年ぐらいから「毎日カレーを食べる」と宣言し、
「全世界の人口の5人に1人は毎日カレーを食べているから大丈夫」
とナゾの統計数字をナソにエビデンスにしているところがキャラクターを表している。
ちなみに、ハヤシくんも移住者。
深まる「スリランカ風カレー」へのもやもや
「カレーにスリランカっぽさ(モルディブフィッシュとか)は感じないですけど、
これが釜石の地元に愛され続ける『スリランカカレー』なんだと思いました」
っぽさというと?
「スリランカカレーって、たとえばこれです」
「だから、最初にカレーが出てきたときのわたしの動揺はやばかったです。
スリランカ風カレーということで、
魚の干物をココナッツミルクとスパイスで煮たものが出てくると思ったら、
完全に見た目が欧風カレーだったので……」
イギリス式の日本カレーの進化形だ、とハヤシくんはいう。
「文化的には
北インド→植民地でイギリスに伝わる→
日英同盟で日本海軍に伝わる→
海軍から日本各地にモダンな食べ物として伝わる→
日本の各地域で独自進化→
おそらくこんな感じかと。
すくなくともスリランカから直接伝わった感じは、僕はしなかったです!」
なるほど~。
地元に愛され続けているカレー
がんちゃんのカレーと唐揚げを無心に食べる憎めない姿を思い出しながら、
創業82年、地元に愛され続けているお食事ハウス(なぜ「レストラン」じゃないんだろう)の、
地元に愛され続けているスリランカ風カレーの味を振り返ってみると(4代目予定の考案なんだけど)、
ちょっとしたもやもやなんでどうでもいいじゃないか、と思えてきた。
もう一回食べたい! と熱望したいカレーではあったし、
そもそも、「スリランカ風」であって、「スリランカカレー」とはどこにも書いてない。
次は、レベル4にチャレンジかな、
……と考えていたら、ふと、思い当たることが。
東京の新橋、ニュー新橋ビルの立ち食いそば「丹波屋」のインドカレー。
ネパール人のアルバイトさんが考案して人気メニューになった、
あのネパール系インドカレー。
甘く感じたあとに、スパイシーになっていくカレー。
「なんか、あれに似てない?????」
次なるもやもやが生まれてきた。