気づけばちょっと前向きな帯同生活
ずっと見る専門だったnoteですが、自分のことを書いてみようと思います!
私は夫の仕事に帯同して東南アジアで暮らして6年、いわゆる「駐在妻」をしています。帯同中に2度出産し、今は子育て真っ最中です。
前回の投稿
前回の投稿からかなり日が経ってしまいましたが、、前の投稿ではこんなことを書きました。
6年前、夫の海外転勤辞令を受けて、新卒で入った会社を辞めて帯同しました。
会社では長年参加していた大きなプロジェクトがようやく終わりに差し掛かったところで、これが終わればやっと独り立ちかな、というタイミングでした。
夫に海外勤務の可能性があることは理解していたつもりでしたが、「えっ今?」というのが当時の正直な感想。
しかし一方で、辞令が出たのは結婚生活が始まって1年が経ったばかりの時でした。せっかく家族になるために結婚したのに、何年続くかわからない海外勤務の間を夫婦離れて過ごすのはどうなんだろう・・・と考え、後ろ髪を引かれながら退職しました。
と、前回ここまで書いたのですが、退職後に帯同先に移り住んだところから順を追う前に、今回の投稿はここ最近で気づいた自分の心の変化についてです。
「仕方なく仕事辞めた」とネガティブな日々
退職後しばらくは「私だけ無職になって不公平だ」「なんでこんな国にいるんだろう」と不平不満が心に渦巻いたり、「また会社で働けるのかな?」「帰国してから仕事はどうしたらいいのだろう?」と帰国後の生活に対する不安に襲われたり、とにかくネガティヴな思いが強く何かにつけて「夫のせいで」と思ってしまっていました。(帯同すると決めたのは自分なんですけどね・・・)
退職後しばらく、と書きましたが、残念なことに、この不安や不満感は結局何年経っても完全に消えることはなく、心の暗いところにひっそり留まっていました。明るく楽しく過ごしていても、ふとホームシックを感じた時や、育児ばかりで無職の自分に嫌気がさした時、じわりと吹き出てくるんです。
実際は、帯同生活の日常には楽しいことや嬉しいこと、海外だからできていることなど、ポジティブな面もたくさんあるのですが、ついつい「日本にいれば」「働いていれば」と考えてしまうんですよね。
でも、いつの間にか変化していた気持ち
そんな中、先日駐在6年目を迎えました。
よくある話だと思いますが、当初の駐在予定は「3年か4年」でした。
それが、他国へのスライドやコロナ禍の影響もあり、気付いた時には終わりの見えない延長戦が始まっていました。
さらには、夫の仕事状況から察するに、おそらくまだまだ駐在は続くのだろうと半ば諦めのような気持ちで6年目が始まりました。
ところがなんと「今年度のうちに日本に帰任できるかもしれない」というニュースが夫からもたらされました。
まだ数年は海外かなぁなんて思っていた私には青天の霹靂。
以前ならきっと、「やった!ようやく帰国できる!」とか「よし!再就職に向けてやっと前に進めるぞ!」とこのニュースを大歓迎したと思うんです。
それなのに、この一報を聞いて最初に思ったのが「嫌だな」でした。
自分でも衝撃です。あんなに早く日本で社会復帰したかったはずなのに・・・。日本に帰りたい帰りたいといつも思っていたはずなのに・・・。
そしてようやく、無職の自分にも、先の予定の立たない生活にも、住む場所や生活のあり方を夫の会社という第三者の決定に委ねることにも、駐在が長引くにつれてすっかり慣れてしまっていたと気づきました。
さらに、この国での生活こそが今の自分の日常であり、「異国で子育てをしている」ということを、良くも悪くも自分のアイデンティティだと感じていると。
4歳・0歳(当時)の二人の育児に追われて、特に他の取り組みや社会的活動ができていなかったので仕方ないのですが、もともとは「育児以外の自分の世界や存在意義・仕事を持ちたい」と強く考えていたはずの自分が、知らず知らずのうちに「自分=海外育児の人」と自ら思っていたことに少なからず衝撃を受けました。
でも見方を変えれば、私はそれだけ帯同生活に適応し「海外でのその日暮らし」(ちょっと違う?)を楽しめるようになった、もっと言えば価値観や考え方が帯同前から変わったのだろうと思います。
「帰任が近いかも」という一報を受けて感じた自分の気持ちを見つめ直すことに始まり、冷静に今の自分の考えを問い直した結果、そう思うようになりました。
仕事を辞めたのが残念だ、続けたかったのに悔しい、というネガティブな面ばかりではなく、仕事を手放していたから子どもを2人持てた(私の場合)、今も子どもとじっくり過ごす時間を持てている、と過去の選択や今の自分の状況についてもっと柔軟に前向きな気持ちで捉えられるようになったと感じています。
不安は変わらずあるけれど
帰国したら仕事をどうしよう?職が見つかったとしてうまく生活を回せるかな?という不安や焦りは今も変わらず、むしろ子どもが増え年数が経つごとにさらに大きくなって心の中にしっかりあるのですが・・・それでも現状に対するネガティヴな考えを6年越しで払拭した(ことに気づいた)という話でした。
もしここまで読んでくださった方がいたら、ありがとうございました。
遅筆ですが、今後は退職・帯同から今に至るまでの経験や考えたことなどをまた投稿できればと思います。