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環境問題と911--恐怖の大王をまたぐ重大危機とムーの視点/「ムー」クロニクル

世紀末が迫りつつあった1998年――。「ムー」は突然、環境や健康問題に目を向けはじめる。精神と肉体を健全に整えることによって、あたかも新世紀への脱皮が行われるかのごとく。
そして1999年7の月が通り過ぎ、無事に21世紀がやってきたら、あの世界を揺るがす大事件に取り組む日々が始まった!
雑誌「ムー」の歴史を振り返る。

文=編集部N

環境問題をムー的に切る!

 40年の歴史を通じて、本誌「ムー」の総力特集といえば、心霊、UFO、超能力、超古代文明、あるいは宇宙論……これらが主流となってきた。
 だが環境問題や健康問題をさかんに取りあげた時期もある。
 1998年6月号(第211号)で「20世紀文明に最後の変革を迫る! 環境ホルモンの謎」という総力特集が掲載された。環境ホルモンは、環境中に存在し、人体に影響を与えるとされる化学物質のことだ。ただし、正体は不明。もちろん体内にある情報伝達物質のホルモンではない。わかりやすくするために、当時のマスコミがつけた名前だった。
 環境ホルモンはオスの精子数を減らし、メス化させたり、新たな病を発生させたりする危険性がささやかれていた。この記事はそうした現象にスポットを当てて、人間の未来に警鐘を鳴らしたものだったのだ。

 その後も健康や環境を取り扱う記事は続き、第213号では「驚異の特効薬最前線」、214号では「足裏マッサージは本当に大丈夫か!?」、215号では「進化学が明かす育児法5つの大間違い」、216号では「早すぎる離乳食が子供をアトピーにする!」と毎号のように問題提起となる記事を掲載。さらに216号では総力特集2として「地球環境進化論が説く超エコロジー構想!! ダイオキシンが消滅する! !」で、地球環境に対する将来への新たな視点まで紹介している。
 ここで「総力特集2」と書いたことにお気づきだろうか。そう、同号にはもうひとつ、「1999年7の月 これが"恐怖の大王"の正体だ! 最終結論!! ノストラダムスの大予言」という総力特集1もあった。編集制作の負担からダブル総力特集体制は続かなかったが、環境問題とノストラダムスが並んでいた時代があったことはここに記しておきたい。

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総力特集が2本という216号の表紙ともくじ。

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ガン、霊泉、健康法などの文字が躍る。

恐怖の大王と911

 1999年という世紀末を超え、世界は新世紀に入った。それと同時に、あのノストラダムスの終末予言は、だれもが外れたと思っていた。

 だが――そこに突如として起こったのが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件だった。多くの予言研究家が、このテロ事件こそまさに恐怖の大王の正体だったのではないかと、改めて驚愕したのである。
 そもそも1991年に旧ソ連が崩壊したことで、それまでの東西(旧ソ連とアメリカ)冷戦構造は消滅。アメリカが唯一の超大国として君臨するようになった。世界は資本主義、自由経済によって統合され、いわゆるグローバリゼーションの時代を迎える。
 世界はひとつ――そう高らかに宣言がなされた矢先に、新たな問題が噴出した。抑圧されていた民族・宗教問題である。じつは1999年は、この大きな爆弾を抱えたまま過ぎていったのだ。

 そして21世紀を迎えて間もなく起こったのが、グローバリズムに反対するグループによる、9・11同時多発テロ事件だったのである。
 この事件をきっかけに、世界では新たな対立構造の存在が明確になった。それはある意味、東西冷戦よりもはるかに根深く、深刻なものだったのである。
「ムー」もさっそく、2001年12月号の「緊急報告/同時多発テロ 2001年悪魔の千年王国が始動した」でフォロー。2002年1月号では「同時多発テロ、アフガン報復は6000年前から計画されていた!」のサブタイトルのもと、総力特集で事件の徹底分析を行っている。この問題はそれ以降もしばしば取りあげられ、2004年3月号の総力特集でも、一連の戦いを「黙示録戦争」と位置づけ、日本とのかかわりを論証した。
 そう、人類滅亡へとつながる世界戦争の危機は、決して消え去ってはいなかったのだ。

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事件後、すぐさま総力特集でテロ事件の本質を解読。テロ事件と「黙示録」、そして日本の未来について検証する総力特集の号。

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9・11事件を受けて、新たな世界滅亡の危機を警告。自爆テロは、世界に大きな衝撃を与えた。


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