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次世代通信とHAARPがあなたの思考を盗む! 迫りくる”ブレインハッキング”の脅威/宇佐和通・DARK RUMOR

「ブレインハッキング」ーー文字通り、脳、意識をハッキングする可能性が指摘されているのをご存じだろうか。人間の記憶、知識をデータとして扱うことができるなら、それを外部から読み取る、読み出すことなど、造作もなくなってしまう。その背景には5Gネットワーク、そしてやはりHAARPの稼働が見え隠れするのだ。

文=宇佐和通

思考を読み取る技術が実用段階へ

 医療分野での集中的な実用化を経て、脳コンピューターインターフェイス(BCI)の商業利用が急速に進んでいる。その過程で、多くの専門家がブレインハッキングの危険性について警鐘を鳴らしているのも事実だ。
 たとえば、BCI経由でATMの暗証番号や各種パスワードが盗み出される可能性すらある。
 それだけではない。ブレインハッキング・テクノロジーの精度が上がれば、思考そのものがすべて盗み出されてしまうというシナリオさえ成立する。

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 アラバマ大学およびワシントン大学で行われた検証結果は、BCIテクノロジー開発各社に対し、根本的なモラルを問うことになりそうだ。脳とコンピューターをつなげる装置の開発はさかんに行われているが、この分野では必然的に人間の記憶を単なるデータとして取り扱う。いかなる種類の記憶もデータとしてコンピューターに吸い上げることになるため、きわめて個人的な情報も含まれる。

 BCIテクノロジー関連企業にとって、現実的な問題は技術面ではなく、法律面と倫理面に集中しそうだ。それに伴い、少なくともアメリカでは、電子情報と個人の記憶の境界線を法的に定め、知的財産としての個人の記憶の所有権を担保する法律が必要であるという議論が盛んになりつつある。

 脳内の電気活動の様子は、脳波図によるモニタリングが可能だ。臨床的には頭皮に直接電極を装着する形式で測定が行われる。医学界ではかなり長い間実践されてきた方法で、信頼性も高い。1998年ころまでは統合失調症の症状判定にも用いられていたが、2000年あたりから医学分野よりも商業分野における利用が爆発的に増加した。
 家庭用ポータブル脳波計は『エモーティブ・エポック』のような子どもでも使える初歩的モデルから臨床的使用に耐える高性能モデルまで、量販店で手に入れられるようになっているのが現状だ。イーロン・マスクもフェイスブックもそれぞれ自社ブランドの製品を販売している。

 アラバマ大学が行ったBCIハッキング実験では、対象の脳内にある4桁の暗証番号を正確に判定する確率を1万分の1から20分の1にまで上げることができることが証明された。より複雑な構造であるパスワードに関しても、6文字までなら正確に導き出せる確率は50万倍も上がり、500分の1にまでにできる。
 ただ、こうしたファクトを突き付けられても『エモーティブ・エポック』を製造・販売しているエモーティブ社は、今のところ主として科学界から寄せられる批判を気にする様子を全く見せていない。公式コメントで「そこまでは精度が上がってはいない」と繰り返すばかりだ。

 その一方、コンピューターセキュリティー企業のアイオアクティブ社で上級研究員を務めるアレハンドロ・ヘルナンデス氏は、「デフコン23」(“ハッカーの祭典”という別名がある国際会議)において印象的なプレゼンテーションを行い、「アラバマ大学で行われた検証の方法論は100パーセント納得できる」と明言した。

 アラバマ大学の検証では、被験者に『エモーティブ・エポック』と同等のスペックを持つヘッドセット型脳波計を装着してもらうという方法論が用いられた。その状態でいくつかの暗証番号とパスワードをキーボードに入力してもらいながら、入力データと脳波の関連性を探っていく。およそ200文字のデータ入力が終了した時点で、次に入力される可能性が高い文字がアルゴリズムによって予測されていく。アラバマ大学コンピューター/情報工学部検証チームのリーダーを務めるナイテシュ・サクセーナは、次のように語る。
「たとえば、オンラインゲームをプレイしながら別ウィンドウを開いて口座の残金を確認するといった行為は、ほんの一瞬であっても非常に危険です」
 
 ワシントン大学では、データ収集という側面に特化した検証が行われた。被験者にオンラインゲームをしてもらいながら、画面の端にサブリミナル・メッセージを映し出す。その瞬間に被験者が示す反応を、ヘッドセット型の脳波計がキャッチし、脳波図という形で表現する。検証に参加したコンピューターサイエンスの専門家タマラ・ボナッチ教授は、以下のように語る。

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