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爬虫類人いるぞ宇宙誘拐あるぞ……「宇宙のディスクロージャー」解説/和嶋慎治・神々の椅子

人間椅子・和嶋慎治氏がウェブマガジン「ムーCLUB」に上陸! 人間椅子ファンが知らずに耳にしている用語を自ら解説する「ムー的オリジナル楽曲解説連載、題して「神々の椅子」!
これを読めば、楽曲世界の背景がくっきりと……またはさらに複雑に……なるだろう。第1回は「宇宙のディスクロージャー」より。

文=和嶋慎治(人間椅子)

ムー民・和嶋慎治

 今月から連載を始めることになりました、人間椅子の和嶋慎治です。どうぞ皆さん、よろしくお願いいたします。
 どういった内容かといいますと、「人間椅子(昨年来より30周年のハードロックバンド)の楽曲を、ムー的に解説してしまおう」という、我々の音楽を知らない人にはなかなかにハードルの高い企画なのでした。とはいえ常にムー的な話は盛り込んでいきますので、不思議大好きな皆さんの一時の慰みになれば幸いです。

 さて僕、かなりのムー民であると自負しております。もうかれこれ20年近くは毎号購読しているのではないでしょうか。発売日になるとおもむろに近所の書店を訪れ、「ムー入ってますか」。そんな生活をずっと続けてきました。引っ越しが多かったのですが、だいたいどの本屋でも「あっ、入ってますよ」から、もはや僕の顔を見ただけで、さっと無言でムーが出てくるまでになりました。今でもそうです。数か月前のことだったでしょうか、いつものようにムーの発売日に書店に行きますと、「あっお客さん、ムー買われてますよね、ムー買われてますよね、ムー買われてますよね」と興奮気味に店員さんに同じことを三回言われました。どうやらその店オリジナルの雑誌購入用ポイントカードを作れということだったらしいです。もちろんムー民の矜持として、ムーポイントを貯めることにしましたが。
 池袋でのムー展にも行きました。編集長の三上さんとは同郷のよしみということもあり、何度かお話しをさせていただきました。コラボTシャツも……と僕のムーへの愛を語り出したらきりがなくなりそうなので、この辺で本題へ。

宇宙のディスクロージャーとスティーヴン・グリア

 記念すべき第一回目のムー的楽曲解説で取り上げるのは、「宇宙のディスクロージャー」。2019年に出たアルバム、『新青年』の収録曲です。
 ディスクロージャーと聞いてムー民ならばすぐにピンとくるでしょう、そうです、UFO問題の情報開示の歌です。

 もともとはビジネス用語らしいディスクロージャーが、UFO問題と関連付けられるようになったのは、スティーヴン・グリア博士の運動によるところが大きいでしょう。僕も読みましたよ、『UFOテクノロジー隠蔽工作』なる分厚い本。しかしいつも思うのですが、なぜに欧米人、ことにアメリカ人の書いたオカルト、スピリチュアル系の本って、唐突に脱線としか思えないプライベートな話題を挿入してくるんでしょう。…その朝、まだ私がベッドの中の温もりを楽しんでいる時だった。隣にいたエミリーが…的なやつ。こう、急に小説風になるんですよ。今そんな話はいいから、とつい僕は思ってしまうのですが(けっしてディスっているわけではありません! グリア博士の本は名著、労作です)、同じ私目線でも、アジア系著者の場合はもうちょっと控えめというか、落としどころを普遍的なものに持って行っている気がします。その辺り、一神教の西洋人とアニミズムの東洋人の発想の構造の違いにあるのかもしれません。

 なんの話だ。
 そう、ディスクロージャー。グリア博士の運動以降、ぐっと機密情報を告白する人が増えたのは間違いのないところでしょう。

最強タッグ=コーリー・グッドとデービッド・ウィルコック

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