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グラハム・ハンコック新説! 彗星激突の人類前史とアメリカ大陸超古代文明/大地舜

1万2800年前――人類は一度、絶滅した。
そのとき、地球にはどんな文明があったのか? そして、どんな大災害が地球を襲ったのか?
大ベストセラー作家グラハム・ハンコックが超古代文明の痕跡を徹底的に追跡! ついにその全貌が、明らかにされる!

文=大地 舜
資料協力=双葉社

「発見」前の北米大陸にあった都市文明

 コロナ禍が世界を揺るがす2020年11月、作家グラハム・ハンコックは多忙だった。ドキュメンタリー・フィルム制作のため、地中海のマルタ島に撮影に出向いていたのだ。
 そこで、英国への帰国を待って、久しぶりに電話で1時間ほど会話した。全米ベストセラー6位となったハンコックの最新刊『人類前史 失われた文明の鍵はアメリカ大陸にあった』(双葉社)が、2020年11月17日に日本の書店に並ぶことになったからだ。
 そのとき筆者は、ついこう口を滑らせてしまった。
「今回の翻訳はタフだったよ……」
「シュン、すまなかった。何しろ、科学者や考古学者が納得できるように、慎重に書いたんだ」
「いやいや、いい勉強になったし、おもしろかった……」
 筆者は慌てて釈明した。

 グラハム・ハンコックの世界的ベストセラー『神々の指紋』が出版されてから、すでに25年がすぎた。あれから新たな考古学的発見もあり、科学の進歩も伴って、グラハム・ハンコックの洞察が正しかったことは次々と証明されている。そのためか、さまざまな分野の専門家たちも、喜んで彼の取材に応じるようになった。
 ハンコックから『人類前史』のために北米を取材するという計画を聞いたのは、2016年5月のことだ。このときハンコック夫妻は軽井沢の豪奢なホテル、アンシエントホテル浅間に滞在していた。
 その素敵なホテルに筆者たち夫婦も押しかけて、夜中まで話しこんだ。だが、北米をテーマに本を書くと聞いて、南米のアマゾンやアンデスならまだしも、北米になにか重要な遺跡があっただろうかと、訝しく思ったものだ。
 その後、「ナショナルジオグラフィック」誌に「北米最大の先史都市カホキアの謎に新事実」という記事を見つけ、北米大陸にも巨大遺跡が存在することを筆者は知った。

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『人類前史』(上下巻)
 1万2800年前、人類は一度、絶滅していた!  あの大ベストセラー『神々の指紋』から25年。グラハム・ハンコックによる超古代史研究の最終回答が登場した。相次ぐ考古学的な新発見、最先端の遺伝子解析の結果、さらには北米大陸からシベリア、エジプト、ニューギニア、南米のアマゾン奥地まで駆け巡り、発見した数々の「動かぬ証拠」。そこから導きだされた衝撃の結論とは? 失われた「先史時代の文明」の存在が、ここに解き明かされる。(グラハム・ハンコック著/大地舜・榊原美奈子訳/双葉社/上巻2000円・下巻2200円いずれも+税)

アメリカ先住民のすぐれた文明

 2019年3月には、「ニューズウイーク」誌に「北米に巨大ピラミッド? 失われた巨大都市の謎」という記事が掲載された。
 カホキアに関するこの記事は、以下のような内容だった。

*1000年ほど前、現在の米イリノイ州コリンズビル(ミズーリ州セントルイス郊外)に文明的な都市があった。人口は推定1万〜3万人。人々は草ぶきの家に暮らし、強い興奮剤を愛用し、女神たちを敬い、木製の天文台で星の動きを観測していた。
*その都市の中心には高さ30メートルほどのピラミッドがある。土で造った建造物としてはアメリカ大陸で最大規模。その周りに広場があり、多くのモニュメントがあった。
*繁栄は250年ほど続いた。しかし西暦1300年ごろ、なぜか忽然(こつぜん)と姿を消し、今は「カホキア墳丘群州立史跡」と呼ばれ、ユネスコの世界遺産に登録されている。
*考古学者のトーマス・エマーソンらは、1500もの建築遺構と100万を超える石器や銅器などを見つけている。
*カホキアの遺跡は1000年前の、つまり白人が「発見」する前の北米大陸に、立派な都市文明があったことを教えてくれる。

 エマーソンがいうとおり、「この事実を軽く見てはいけない」のだ。

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