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異様に古びた「令和元年銘10円玉」の謎を追う!/山内貴範
元号が〝令和〞に改元され、今年5月1日で4年目となる。そんな中、ネット上で奇妙な10円玉が話題を呼んでいる。
緑青が吹き、〝昭和〞の時代に製造されたコインを思わせるが、刻まれているのは〝令和元年〞の文字——
わずか3年前に製造された10円玉に、いったい何があったのか。
今回、あらゆる角度から調査を実施したところ、パラレルワールドを経由して流通した可能性が浮上したのだ!
取材・文・写真=山内貴範
協力=洋介犬 イラスト=坂之王道
話題沸騰、令和元年の謎の10円玉
まずは、こちらの10円玉をご覧いただこう。
![](https://assets.st-note.com/img/1649854750088-RTZlVASZXH.png?width=1200)
手垢がついて酸化が進み、表面は黒ずんでいる。全体的に濃い緑青が吹き、ボロボロになっているのがわかる。だれしもが、長い年数流通し、多くの人の手を経た10円玉と考えるはずだ。
ところが、年号をよく見ていただきたい。はっきり〝令和元年〞と刻まれているのだ。平成でも、昭和でもない。令和なのだ。今年は令和4年(2022)だが、この10円玉は約3年前に製造されたことになる。にもかかわらず、これほど年季の入った状態とは、にわかには信じがたい。
年号と見た目が釣り合わない奇妙な10円玉を発見したのは、京都府在住のホラー漫画家・洋介犬氏である。洋介犬氏はこの10円玉をツイッターに投稿したところ、瞬く間に10万件近い〝いいね〞がつき、Jタウンネットなどのニュースサイトから取材を受けるほどの反響があった。今回、筆者は洋介犬氏と連絡を取り、実物の10円玉を手にする機会に恵まれたので、詳細を報告したいと思う。
本誌ではこれまで、実在しない〝昭和65年〞の年号が刻まれた1万円玉や、公式に発行記録がない謎の1000円玉など、数々の不思議なコインを紹介してきた。この2件はネット上で「パラレルワールドで発行されたコインではないか」という仮説が広がり、本誌でも検証を行った。しかし、決定打といえる根拠を見つけることはできず、真相は謎に包まれたままである。
今回の10円玉は、これまでのコインとは性質が違う。というのも、日常的に使われているコインであるためだ。製造は造幣局である。著しい汚れが異様な点を除けば、明確にデザインが異なるなどの違いは見られない。しかし、調査を進めてみると、この10円玉もパラレルワールドを経由してきた可能性が疑われるようになってきたのである。
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