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国東半島ストーンサークル”猪群山巨石群”の謎/古銀剛

大分県国東(くにさき)半島の山中に謎の巨石群がある。いつ、何のために、誰が築いたものなのか――。現地を調査してみると、古代人の巨石崇拝の実態が浮かび上がってきた。

文=古銀 剛 写真=豊国勝彦

巨大なメンヒルを中心とした猪群山の巨石群

 海岸線が弧を描く九州大分県・国東(くにさき)半島の北西部に猪群山(いのむれさん)という山がある。
 標高は458メートルほどでそれほど大きい山ではないが、まるで猪がうずくまっているかのようにみえる台形の山容はよく目立ち、海側には広い裾野をもっている。ちなみにイノムレのムレは、古代朝鮮語では「山」とか「村」の意にあたるという。
 そしてその山頂は北峰と南峰に分かれているが、北峰の草の生い茂る台地上の山頂は「ストーンサークル(環状列石)」とも称される巨石群があることで知られている。

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大分県・国東(くにさき)半島の北西部にそびえる猪群山[いのむれさん](標高458メートル)。北峰の山頂にストーンサークル(巨石群)がある。

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