ホピ族「預言の岩刻画」が人類の試練と希望の未来を示す/NANA
標高約2000メートルの不毛な高地に暮らすホピ族は、「平和の民」として知られている。彼らは約100年前に、岩に不思議な絵を刻んだ。その絵は人類の未来について、ふたつの可能性を示している。われわれはまさに今、どちらを選ぶかの岐路に立たされているという。
文・写真=NANA 構成=尾崎 靖
岩絵のメッセージを広く伝える時がきた
アメリカ先住民のホピ族は「平和の民」として知られている。彼らが暮らしているのは第1メサ、第2メサ、第3メサと呼ばれる標高約2000メートルの高台だ。メサとは、スペイン語で「テーブル」を意味する。
もともとホピ族は、メサの麓に住んでいたが、他の部族との戦いを避けるために、不便なメサの上に住居を移したといわれている。
私は24年前からアリゾナ州セドナで暮らしはじめ、ホピ族の人々と交流を重ねてきた。本稿に登場するルーベン・サウスキーは私の友人であり、ホピ族の教えを世界中に伝える「メッセンジャー」という役割を務めている。これまで日本にも14 回訪れ、広島や富士山などで平和を祈り、人々と交流してきた。
そんなルーベンが、あるとき真剣な表情で私にいった。
「NANA、頼みがある。預言の岩のメッセージをみんなに伝えてくれないか。その時がきた」
私は驚いた。
最初に「預言の岩」を見たのは今から20年以上前だが、当時はホピ族の村も儀式も、そして預言の岩も、撮影が禁止されていた。
2〜3年前からは、岩絵のメッセージを伝えるために、直接会った人だけに見せるならば撮影してもよいということになった。ところが今回は、「写真をインターネットにアップしてもいい、今の地球は待ったなしの状態だから、岩絵のメッセージを広く伝えなければいけない」というのだ。
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