記紀には登場しない"封印された"女神「瀬織津姫」の謎/本田不二雄・神仏探偵
「セオリツヒメ」という女神をご存じだろうか。いま密かに多くのフォロワー(信奉者)を集めるその女神は、実は『古事記』『日本書紀』にはいっさいその名は登場せず、祝詞のなかで読み上げられるだけの存在にすぎない。そうでありながら、瀬織津姫(せおりつひめ)は現代のわれわれを魅了しつづけてやまない存在なのだ。
そこで今回、この謎めく女神をめぐって、現場を訪ね、これまで偽書とされてきた古文献をひもとき、史料の奥に潜む禁断の世界に分け入ってみた。
文=本田不二雄(神仏探偵)
第一章 令和