KGBが調査していたUFO情報の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2013年9月号、第353回目の内容です。
文=南山宏
ホワイトバイソン誕生
昨年7月28日、米コネティカット州ゴーシェンのモホーク・バイソン牧場に、ラコタ族、モホーク族、セネカ族、カユーガ族などの北米先住民が、全土から1000人以上も駆けつけて、歌って踊って太鼓を打ち鳴らし、久方ぶりの”聖なるホワイトバイソン”生誕を祝う命名式をおこなった。
牧場主ピーター・フェイ氏の話では、前月16日に同牧場で飼育されているバイソンの中に、黄白色の体毛に覆われたホワイトバイソンの赤ちゃんが誕生した。
いわゆるアルビノではなく、1000万分の1の確率で生まれるというホワイトバイソンは、昔から先住民のあいだでは、希望と団結のシンボルと信じられてきた。
命名式の最中には雷鳴が轟き、稲妻が走り、土砂降りの雨に襲われたが、これも長老たちには”天の祝福”と解釈され、白い赤ちゃんバイソンは、”イエロー・メディシン・ダンシング・ボーイ”という立派な正式名が与えられた。
KGB版未知との遭遇
UFO問題は、ロシアの軍部や科学界では、旧ソ連時代も今も、事実上タブー視されている。公的に言及されるときは、せいぜいジョークのネタとしてぐらいだ。
だが、今年3月末、旧ソ連のKGB(国家保安委)とその後身、FSB(連邦保安庁)でUFO調査を指揮した元高官ワシリー・イェレメンコ退役少将が、ついに公の場で長年のタブーを破った。
過去20年以上、2年おきにモスクワで開かれてきた”ジーゲル事象審査会議”で、イェレメンコ少将がKGBの空軍・軍用機生産監督部門の長だったとき、UFO現象の全データ収集の極秘任務も任されていたことを告白したのだ。
ちなみに同会議は、あらゆる超常現象を扱う民間人会議で、ジーゲルの名は、旧ソ連時代に迫害に屈せずUFO研究の先駆者となった高名な天文学者に因んでいる。
イェレメンコ氏の暴露情報によると、軍当局は早くからUFOの実在性を認めていた。たとえばミサイル部隊は、UFO発見時の作戦行動を具体的に指示され、逆襲される恐れがないかぎり、攻撃許可が出ることになっていたそうだ。
1980年代初頭には、アストラハン州内の軍事基地で、極秘の”UFO召喚実験”が行われた。
当時すでに、新兵器テストや軍事演習や紛争激化など、軍事的緊張が高まった地域に、UFO事件も頻発することがわかっていた。
そこで戦闘機の大挙飛行や兵器車両の大量移動を”演出”したところ、見事”UFO召喚”に成功。以後の反復実験も、ほぼ百パーセントの成功率だったという。
出現したUFOの大半は、発光球体のように見えた。実験をくり返すうちに参加者たちも慣れてきて、交信を試みる者も出てきた。
地上から両手を右へ2度、左へ2度振ると、空中のUFOも右へ2度、左へ2度動いたそうだ。
とどのつまり、旧ソ連軍当局は実験に参加した科学者陣と共に、UFOの正体について以下の3通りの可能性があると結論した。
第1、現代科学がまだ説明できない空中の自然現象の可能性。
第2、仮想敵国アメリカまたは日本発の新型偵察装置の可能性。
第3、異星文明起源の訪問者による有人ないし無人の飛行装置。
「残念ながらUFO問題は、今でも大衆向けのヨタ話扱いで、真実を知る科学者もパイロットも宇宙飛行士も、公けには話たがらない」イェレメンコ氏自身は報告をしめくくる。
「しかし私自身は、UFO問題は国家と文明の安全保障の問題として、もっと真剣に受けとるべきだと信じている」
リアルコール画
ポーランドでは、飲用アルコール類の商品を絵に描いただけでも罪に問われるらしい。
チェスジン市在住の画家ミヒャル・オギンスキー君(25歳)は、スーパーの棚にビール缶がたくさん並んでいる光景をキャンバスいっぱいに描いたところ、”アルコール広告法”違反のかどで地元の警察に逮捕されてしまった。
「警察がいうには、僕の絵は飲酒の習慣を助長して、若い連中を堕落させるというんだ。ただのビール缶の絵なんだけどね」
異言少女
クロアチアはクニンのサンドラ・ラリッチちゃん(13歳)は、敗血症と診断され、スピリト市の総合病院に入院した。危険な病気だが、幸い順調に回復に向かった。
ところが2010年4月、サンドラは突然、昏睡状態に陥った。でも、24時間後には意識が戻ったので、両親はほっと胸をなでおろしたが、次の瞬間、今度はわけがわからず顔を見合わせた。
話しかけたクロアチア語が、娘はなぜかまったく理解できないようで、代わりにドイツ語をペラペラしゃべり始めたのだ!
それもドイツ人なみの完璧なドイツ語なので、医師たちはすっかり当惑した。サンドラも学校でドイツ語を習いはじめてはいたが、こんなに流暢に使えるはずはない。
精神医学者ミヨ・ミラス博士によれば、昏睡から目覚めた重病人が母国語でない言語、ときにバビロンやエジプトの古代語を話しだす”異言”ケースも多いという。
前世や生まれ変わりを信じる人には、新らしい”証拠”がまたひとつ増えたことになるだろう。
論争決着
タマゴが先か? ニワトリが先か? 長年の哲学的論争に、とうとう決着がついた――
かどうかはわからないが、最近英ウォリック大とシェフィールド大の生化学者・物理学者の研究チームが、ニワトリの胎内にタマゴが形成される仕組みを解明した。
彼らが発見したのは、オボクレジチン17(OC17)というタンパク質が、卵殻が成長する初期段階で、結晶化のスイッチを入れる基本的触媒の役割を務めること。
さらにOC17が卵巣にしか発見されない事実から、タマゴはニワトリの胎内で後から形成される、ということが立証されたのだ。
もっとも、チーム代表のマーク・ロジャー教授は、首を振る。
「この発見が証明したのは、タマゴを産み落とした親のニワトリが先、ということだけだ。この設問は興味深くはあるが無意味、ということがますますはっきりした」
(月刊ムー2013年9月号掲載)
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