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やさしい人の話/星野みなみ卒業セレモニー

2月12日、この日のことは絶対ブログに書こうと前々から思っていたけど、
自分の思っていたのとは少し違う内容になりそう。

乃木坂46 1期生、星野みなみちゃんの卒業セレモニーに行ってきた。
卒業ライブというのは、とても神聖な場なので、
推しでないファンが貴重なひと席を埋めることに申し訳なさもあったものの、
星野みなみ推しの友達に、一緒に行こうと言ってもらい、あの輝かしい時間を体験させてもらった。

彼女は乃木坂を好きになって初めてできた同じ趣味の友達で、彼女がみなみちゃんを見送るのを見届けたい気持ちも大きかった。
彼女とみなみちゃん(と、サイリウム)の話はこちら

ただ、「推しメンを見送る人の見届け記録」となる予定だったこの記事は、
「アイドルが優しさで全てを救った瞬間の記録」に変更されました。
他ならぬ私も、みなみちゃんに救われてしまったので。

救いの瞬間たち

1分1秒、残らず、きらきらと眩いライブだったけど、個人的に特に鮮明に輝いていた曲がいくつかある。

ひとつ目は、2期生とのam I loving?
最初から推しメンへの贔屓目が存分にあり恐縮だが、2期生が現れると同時にイントロがかかった瞬間は思わず身体が跳ねてしまった。
もう、見ることは出来ないと思っていたから。
残っているオリメンはみなみちゃんを含めて3人、北野日奈子ちゃんの卒業も決まっている今、この曲もまた幻の曲になるんだと思っていたから。
コロナ禍の影響もあり、ほとんど披露の機会が無かった曲。
そしてこの曲はそんな運命を辿るのが勿体無さすぎるほどに魅力的な曲なのだ。

わたし、みなみちゃんのいるam I loving?を生で見たんです。
これはもう一生自慢できるんじゃなかろうか。

ふたつ目は、向井葉月ちゃんとの無口なライオン
自分を好きになって乃木坂になった後輩への、これ以上ない優しさとエール。
曲終わりに泣きじゃくる後輩に、声をかけるみなみちゃんの口の動きは「がんばるんでしょ」に見えた。
頑張れ、じゃなくて、頑張るんでしょ。誰かの背中を押す時だって、優しさに満ちている人。
舞台が暗転して2人で捌ける時、「泣きすぎ!」の可愛い声で最後に笑顔にしてくれるのもみなみちゃんらしくて素敵でした。

みっつ目は飛鳥ちゃんとの制服を脱いでさよならを
これはもう満場一致だという確信がある。
この瞬間が本当の卒業セレモニーだった。
これまでのメンバーの卒業を笑顔で見送ってきた側、の2人が堪えきれない涙を見せたくなくて舞台に背を向けるシーン。
小さい華奢な背中が、泣けて泣けて仕方なかった。
飛鳥ちゃんの言葉は、きっと普段の彼女なら表舞台では決して言わないんじゃないかと思ったし、それをこの場で口にするのはみなみちゃんへの最大の信頼の表れのように見えた。
あしゅみなってすごいんですね。

やさしさとは

私はど新規のにわかなので、みなみちゃんの凄さをエピソードとしていくつか知っている程度で、
正直その凄さをみくびっていた。

優しい人、と形容されるのは2パターンだと思っている。
ひとつは、自身が傷ついた経験から相手のして欲しくない事を避け、欲しい反応を与えられる人。
もうひとつは、いわゆるお節介とかお人好しとも言われる自分が良いと思う事をやってあげたい人。他人に優しくあれ、と言われて育ったタイプだ。
この2つに共通しているのは、「優しくしよう」という意志を伴った優しさだということ。

だけどみなみちゃんの優しさはそれらと違った。
自分の感じた事を言葉にすると、自分のしたい事を行動に移すと、その全てが悉く優しさになって相手を救う。
相手どうこうではない、ほとんど無意識的な優しさ。
乃木坂を卒業して、芸能界を引退した彼女をこんな風に神格化するのは間違っているかもしれないが、それはもう仏とか天使とかの領域の優しさなのだ。

ライブでのメンバーからの言葉や、それに対するみなみちゃんの反応、
もしくはライブのセットリストやその選曲理由を聞いて、その異次元の優しさを実感した時、
人はこんな風に育つことができるのかと衝撃を受けた。
ご両親やお友達の影響もあるだろうが、
乃木坂という優しさが溢れるような土壌で育った、という事実も間違いなく大きな要因だろう。
そう思うと、みなみちゃんは乃木坂の優しさの結実でありながら、乃木坂の優しさの根源のような人だと思う。

卒業セレモニーで彼女の魅力を本当の意味で知れてよかったと思うと同時に、
卒業セレモニーまで気付けなかった、この先彼女のそうした魅力を更新することができないことが本当に悲しいし悔しい。


アイドルとしての最後の最後まで、優しさで新たに人を救ったみなみちゃん。
これからは自分の幸せのために、優しい世界で生きてください。
卒業おめでとう。今まで本当にありがとう。
10年間、お疲れ様でした。

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