見出し画像

#もしもの備え 東京ディズニーランドの「たられば・たられば・IF・IF・IF」

#もしもの備え
地震、台風、大雪などの災害が身近な問題となり、日頃の安心安全な暮らしへの「備え」に関心が集まる昨今。自宅や学校・職場での避難経路の確認や、災害用アプリの活用、防犯対策など、不測の事態に備えている方は多いのではないでしょうか。
<引用終了>

災いを引き起こすのは知らないことではない。知らないのに知っていると思いこんでいることである 

マーク・トウエインの警句です。

「お題」の趣旨(能登半島地震など自然災害に対する地域の備え)とは異なるのかもしれませんが、東京ディズニーランドの「もしもの備え」の基本としていた考え方をお伝えします。

■たられば・たられば・IF・IF・IF 

 パークには一日に一〇万人ものゲストが来園します。当然、パークの中では様々な出来事が発生します。遺失物、迷子、気分不快やゲスト同士のもめごとなどゲストに起因すること。地震、強風、雷、降雪などの自然現象。アトラクションの不具合や故障などの施設的トラブル。時には犯罪の匂いのするものまで、多種多様の出来事が発生します。

 パークで働く何千人ものキャストを直接指揮するのが、ワーキングリードとスーパーバイザーです。特にワーキングリードはアトラクションの責任者です。担当するアトラクションにおいては、どのような状況が発生しても、冷静沈着にそして敏速に対応できなくてはいけないのです。

 そして、ワーキングリードやスーパーバイザーは、以下のように考えることを叩き込まれています。それは「もし、地震がきたら」「今、アトラクションが停止したら」「これ以上気温が上がれば、下がれば」「もし、火災が発生したら」「もし、……」……。

 常に状況は変化する、あるいは予期せぬことが発生する。このことを想定しながら勤務しているのです。もちろんこのようなイレギュラー発生時や、非常事態発生時に対応するための徹底したトレーニングや訓練も欠かせません。

 仮定や仮説に偏見をもたず、想定できるものすべてを想定し、発生した場合の対応方法を事前に用意しておく。緊急時に、ワーキングリードだけでなくキャスト一人ひとりが、的確な行動を取れるよう訓練を繰り返す。それをスーパーバイザーや関係部署の担当者が評価する。この一連の流れが出来ているのがディズニーランドであり、他の多くの施設との決定的な違いであることは間違いありません。記者会見や国会中継で耳にする「仮定の質問には答えられない」はディズニーランドでは一〇〇%通用しない怠慢行為そのものなのです。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?