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私の大腸がん体験記14-2023年現在

 今は2023年、私はまだ生きている。2017年に大腸がん手術、S状結腸がん、盲腸がんと2つの癌手術を体験した。いろいろあって抗がん剤は結局しなかった。幸運なことに16年たった現在も転移がない。
 途中、信頼していた主治医の先生は隣の県に転勤になり、悲しんだが、先生の言いつけどおり、ストレスをためないようになんとか心の平穏を保つことに努めた。2017年当時、私は38歳という若さで癌になった。
なんで自分が?とさんざん嘆いた。ちょうどそのころ、昇進し管理職になった。
 でも病気になってから180℃考え方を変え仕事はどうでも良いと思うようになった。

 8月末に手術を終え、1か月間わがまま言ってお休みもらい。10月から職場に復帰した。当時の上司に認めてもらった。その上司は数年前に癌でこの世を去った。たまたまお見舞いに行った際、手術の段取りや私の当時の気持ちについて聞かれた。
 彼は60歳の退職後すぐに病気が見つかった。職場には迷惑を掛けまいと定年延長をしないで辞めた。それからフラ~っと私を訪ねて来てはどういった検査、治療をしたのか、気持ちの持ち方はどうだったのか?根掘り葉掘り聞いてきた。

 私は今年で56歳になったがまだ生きている。相変わらずストレスをためないように、やりたいことをやっている。英会話を始めた。外国人との異文化交流会を企画しては楽しんでいる。退職後は海外旅行を計画していて昔見た映画のロケ地を訪ねたい。寿命が続く限り楽しみたいと思っている。

 仕事の方はあまり身が入らない。いわゆる"働かないおじさん"になった。現在の職場は合併を繰り返しかなりの大所帯。しかし、経営はじり貧状態である。今だ紙、電話、FAXが主流で事務処理ばかりがマニアックになっていて仕事をしている実感がない。悪戦苦闘しながらその事務書類を仕上げても全く達成感がない。上司の仕事ぶりを見ていると体制ばかり気にしていて、彼らの頭にあるのは社内政治ばかり。すっかり時代においてかれたようだ。
 私はというと社内政治から距離を置いているので今も生きていられる。

 おかげで子供たちの成長も見ることが出来た。3人のうち2人が大学を卒業して結婚した。週末はランチなどをして幸せな生活を送っている。大腸がん発覚後の当初目標を大きく超え現在も普通の生活を楽しんでいる。



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