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私の大腸がん体験記9尿管を抜く

手術から3日後、ついに尿管を抜く日となった。今日のいつ(何時に)やられるか分からない。怖い。検温や血圧をチェックしに来る看護師さんにも身構えてしまう。妻は横で「ふふふ」と恐怖に震える私を見て笑っている。

主治医がまた、突然、やってくる。痛みや体調などいつものようなやり取りの後、「硬膜外麻酔外しましょうね」というと、ベットに横向きにさせられはずされた。これでもう、痛みのコントロールは出来ない。

そして、ついにその時が来た。今回の自分が設定した三つ目の壁だ。体格の良いベテラン看護師さんがやってきた。あき竹城風のその看護師さんは手際が良すぎて逆に雑に見えてとても怖い!
ベテラン看護師:「では尿管抜きます。」
私:「ちょっと待って下さい。気持ちの整理がまだです。」
ベテラン看護師:「なに言ってんの?痛くないよ。一瞬だから。」
というとビリっと紙パンツをまるで強姦魔のように引きちぎると、ち〇ち〇の先の紙テープを手際よく剥がします。正直、もう少し丁寧にやってもらいたいが何も言えない。
ベテラン看護師:「では1,2,3で抜きます。」
というとあき竹城は1の段階で抜きやがった。その間、2~3秒くらいだったかと思うが人生で一番長い2~3秒だった。これは初めて経験する感覚で痛い方がまだましかもしれない。どう説明してよいかわからないが、とにかく嫌な感覚だ。尿管を抜いた後、尿道には痛みが残った。※あくまで個人的な私の個人的な感想です。
ベテラン看護師:「夕方までおしっこをしてください。出なければまた尿管を入れることになります。そういう方いますので..」
なんということだ。聞いてない。おしっこが出なくなる人がいるなんて…
尿管を意識のある状態で刺す!?このあき竹城はなんて恐ろしいことを言うんだ。絶対に自力でおしっこを出さねばと心に誓う!

早速、トイレに行く。自分で出そうとするがなかなか出ない!焦る!出ない!焦りからか全身汗びっしょりになった。たった3日間で私は排尿の仕方を忘れたのではないか。私はもともとタンクがデカいのかおしっこは近くない。夕方まではまだ時間がある。水分を多めに取りながら冷静になって対策を考えてみる。

尿意はない。

私は小さいころからお風呂の排水溝を見るとおしっこしたくなるタイプだ。早速、歩く訓練の途中、シャワー室の排水溝を見てみるが、尿意は来ない。ちなみにシャワーはまだ許可されていない。
夕方、マジで再尿道なんじゃないかと思い、焦って5~6回便器の前に立っている。どうやら本当におしっこの仕方を忘れてしまったようだ。

出た!

水をがぶ飲みする。夕方6時、あき竹城はまだ来ない。最後のチャンスかもしれない。尿意の感覚がないがとりあえず便器の前へ。で、でた。やっと出たが大量のおしっこは尿道を通って勢いよく出てきた。出始めの赤い血が混じった尿を見て気絶しそうになる。そして強烈な痛みが私の尿管を襲う。痛てぇ..勢いのあるおしっこはすぐには止められない。四つ目の壁がまだあった。他の人の体験記を見ても尿管のことは書いてなかった。

つづく


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