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外国人の友達をつくる

 色んな国の文化・習慣を知るのはとても面白い。英語を学び始めて一気に世界が広がった感じがする。私は農家の長男として生まれ、農家の長男として家を継ぎ、JAに勤めながら休日には農作業や山仕事を強いられること20年。だいぶ考え方も狭くなっていた。小さい箱の中で些細な事で悩んだりもした。仕事だけが人生じゃない。40歳にもなってようやくそのことに気づき、いつか外国に行って見たいと50歳を機に英語を学びはじめた。先生は外国人。彼らと話をすると文化やちょっとした考え方の違いが面白い。逆に日本にいる彼らも日本文化を存分に楽しんでいる。

 2019年から英語の勉強も兼ね、職場のJAで異文化交流会(料理教室)を企画、開催してみた。すると思いのほかJA女性部の皆さんに好評で、コロナ渦でありながら3年間このイベントを続けることが出来た。「家の光」や「農業新聞」でも紹介され話題にもなった。やりがいを感じ始め2024年も開催しようとした矢先、別部署に人事異動で飛ばされた。大きく状況が変わってしまった。仕事内容も農産物直売所メインに変わった。せっかくこれまで築いてきた楽しい交流イベントはこのような形で突然終わり、だいぶ落ち込んだ。3年で14か国、25名のForeign friendsがつくり、SNSで「今年も楽しみにしているよ」と連絡が来るたび残念な気持ちになる。


 人事異動から3か月、農産物直売所はとにかく忙しい。午前中は毎日、新鮮な野菜を買い求めるお客様でごったがえす。私のルーティンも変わった。前の部署は家から車で25分だったが今度は高速に乗って1時間10分はかかる。毎朝5時に起きて、5時50分に家を出発、気仙沼到着7時に到着する。
 売り出しイベントに怒鳴られながら駐車場係をすることにも大分慣れた。
 
 ある日、店の前で開店準備をしていると、一人の東南アジア系の若い女性がいた。何か困っているようなので英語で話しかけてみた。
 「何かお困りですか?」彼女は日本に働きに来たばかりだそうで、日本人に失礼がないようにどこに並べば良いのか?慎重に最後列の場所を探していたのだ。「ここですよ」と教えて上げると丁寧に日本語でお礼を言った。

私:「どこの国から来たの?」
彼女:「ミャンマーです。親切にありがとうございます。」
私:「気にしないで、私はここの店の者ですよ。」
彼女:「えっそうなんですか?でもここで何をしていたのですか?」
私:「開店準備をしていたんです。」
彼女:「働いているレストランの食材を買いに来たんです。この店は安いですから」
私:「ありがとうございます。」
彼女:「お名前を聞いても良いですか?」
私:「もちろん!むねと申します。」
彼女:「ピュと言います。23歳です。」
私:「56歳です。」
彼女:「お若いですね。」
私:「ありがとうございます。」
彼女:「私は今、日本語を勉強しています。お友達になっていただけませんか?」
私:「もちろん良いですよ!Facebookで友達になろうか?」
彼女:「はい。」

 ということで、56歳で初めてのミャンマー人の友達が出来た。友達をつくるとその国の事も興味が湧きます。
気仙沼にはマレーシアやインドネシアの方々が沢山働いています。
新しい目標が出来ました。2024年は東南アジアの人達とお友達になろう!

 

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