Los Santos de Maimona の El Capricho de Cotrina - バルセロナの日本語交流の旅行

2024年9月15日 20:38

Barcelona で旅好きが集まる 日本語とスペイン語の交流会 の友達数人は、2024年3月23日から5泊6日で、Extremadura を旅行し、3月28日に Badajoz 県の Los Santos de Maimona にある El Capricho de Cotrina を訪れました。

まず、この短いビデオを観てみてください。

El Capricho de Cotrina

El Capricho de Cotrina は、1988年に Francisco Gonzáles Grajera によって建設が開始されました。彼は建築家やアーティストではなく、実業家でしたが、彼の娘が「他とは違う家」を望んだことがきっかけで、このプロジェクトに取り掛かりました。

彼は特別でユニークな建物を作り上げるために、ガウディの影響を強く受けた有機的で曲線的なデザインを取り入れています。ガウディのように、自然界の形や色彩にインスピレーションを得ていて、ファサードや装飾にはカラフルなタイルやセラミックのモザイクが多用されています。建物全体が遊び心に満ち、視覚的に魅力的な建築物となっています。

建築スタイル

建物のスタイルは、アントニ・ガウディがバルセロナで創り上げたモダニズム建築の影響を色濃く反映していて、私たちのバルセロナにある、カサ・バトリョやカサ・ミラ、そして有名なサグラダ・ファミリアのような、滑らかな曲線と自然界のモチーフを取り入れたデザインが見られます。El Capricho de Cotrina には、自然を模した有機的な形、曲がりくねった線、そして鮮やかな色使いが特徴的です。

特に印象的なのは、建物の外壁に使用されたセラミックのモザイクで、これはガウディの Trencadís と呼ばれる技法 (破砕されたタイルの破片を使った装飾) に類似しています。この技法により、建物はまるで色とりどりのモザイクで覆われたアート作品のように見えます。

建設の背景と経過

Francisco Gonzáles Grajera は、この建物の建設に何十年もかけていますが、建設は今もなお完全には終わっていないそうです。彼は資金を限られた範囲で使いながら、自分の手で少しずつ作業を進めてきました。地元では、彼の情熱と粘り強さが高く評価されています。プロジェクトが始まってから30年以上経っていますが、建物が完成する見通しはまだ立っていないそうです。でも、観光地として訪れる人々が増えています。

この建物は商業的な建物として使われる予定はありませんが、そのユニークさから多くの観光客が訪れ、ローカルな観光スポットとして知られるようになっています。

霊の存在は？

El Capricho de Cotrina という建物は、Francisco Gonzáles Grajera が娘のために心血を注いで建てた場所であり、彼の情熱や愛情が深く込められた作品です。彼は2016年にこの世を去ったそうですが、まだこの建物に彼の存在を感じます。

建物というのは、その創り手の思いが込められていると、訪れる人々にもその気持ちが伝わることがあると思います。特に、彼は約30年にわたりこのプロジェクトを進め、まさに人生の一部を注ぎ込んだことを考えると、彼の「霊」がそこにいるように感じるというのも、自然なことかもしれません。

このような感覚は、「霊」や「魂の残り香」という形で表現されることが多いですが、それは怖いものではありません。彼が娘への愛情と夢を込めて作り続けた場所なので、そこに漂うものも温かく、愛情に満ちた感覚です。

El Capricho de Cotrina の意味

建物の名前にある capricho という単語はスペイン語で「気まぐれ」や「突発的な欲求」という意味を持ち、Francisco Gonzáles Grajera が娘の「他とは違う家が欲しい」という願いをかなえるために始めたこのプロジェクトの精神を象徴しています。彼の創造力と情熱が、この「気まぐれ」な建築を可能にしたのです。