【16日目】『寂しさ』のトリセツ・原因と対策(カンジョウのトリセツ)

◆感情の原因は『モト』の増減である

 『寂しい』という気持ちが起こる「メカニズム」は理解できましたか?

 結局この『寂しさ』という気持ちも「好き嫌いゲージ」の針の位置と動きによって起こるんです。モトの減少にともなって好き嫌いゲージが下がっていき、半分を切ったところで「寂しいなぁ」という気持ちが出てくるんでした。
 こういうのにもきちんと「メカニズム」がある、ということなんですね。

 モトというものを見ていくと、こういう「今までなんとなく説明しづらかった気持ち」について

「一体どういう気持ちなのか」
「なぜこんな気持ちになるのか」

がはっきり分かります。モトって便利でしょ?

◆『寂しさ』のトリセツ

 では今回は、この『寂しい』という気持ちをどう扱っていけばいいか? という話をしていきましょう。

 寂しさを感じた時、みなさんはどんなことを「したくなる」でしょうか? ちょっと想像してみて下さい。

 そもそもこういう「ネガティブな気持ち」が起こってきたときって、だいたい「何かをしたくなる(やめたくなる)」んです。それはココロが「〇〇してモトを集めなさい」という命令をしているから、なんでしたね。
 で、寂しいときにしたくなること、といえば「誰かに会いたい」「誰かと話したい」「誰かとメールやメッセージでやり取りしたい」という

誰かとコミュニケーションが取りたい

という気持ちではないかと思うんです。どうですか?

 ではどうしてこういうことがしたくなるのか、モトの流れをもとに考えてみましょう。

 寂しいときに親しい誰かに会うと、どうなりますか? きっと「安心」するんじゃないかと思います。ホッとしますよね。そして、そういう人と話したり遊んだり、一緒の時間を過ごせると「楽しく」なりますよね。
 こういう「安心」「楽しい」という気持ちが出てくるということは、好き嫌いゲージが上がっているということです。寂しさが消え、ポジティブな気持ちが出ているのですから、好き嫌いゲージの針は半分より上を指しているはずです。そしてそれは当然「ココロのモトが増えている」ことを意味していますよね?

 このモトがどこから来ているのか……もちろん

相手のココロから送り込まれている

んですよね。だから自分のモトが増えているわけです。こういうのも結局「奪うモトあつめ」なんですよね……。

◆モトを「一旦もらって」から「増やす」やり方

 10日目から扱った『怒り』の感情も「モトあつめをやりなさい」というココロの命令でした。今回の『寂しさ』もまた、モトあつめの命令なんですよね。『怒り』と『寂しさ』の違いは好き嫌いゲージの「針の動き」です。
 『怒り』は針の「急な減少」に対して出てきますし、『寂しさ』は針の「ゆるやかな減少」に対して出てきます。どちらの気持ちのときも「減少」していますので、そういうときに「したくなること」の正体というのは結局

モトあつめ

なんです。怒った顔を人に見せたくなるのも、寂しそうな顔で誰かに構ってもらおうとするのも、どちらもモトあつめの一環である、というわけなんですね。

 今回の『寂しい』気持ちのときにすることもまた【モトあつめ】なわけです。
 「奪うモトあつめ」と聞くと、なんだか良くないことのように思えるかもしれません。ですがこれは自分のココロにとって必要なことなので、寂しさを感じているときは遠慮なくモトあつめをしましょう。誰かにコンタクトを取ることで、相手からいったん「奪う」ことになってしまったとしても、です。自分のココロがちゃんと動かない状態では、自分も他人も幸せにできませんからね。まずは自分のココロのモトを増やして、好き嫌いゲージが半分より上の状態を目指すべきです。

 そういうことを「許してくれる」人がいるならぜひ利用させてもらいましょう。親しい友人や先輩、家族や恋人、そいういう人たちと触れ合うことで、ちょっとだけ「モトを分けてもらう」んですね。そして自分が安心したり、楽しくなった姿を見せることで、相手も「安心感」が出て『二番目のモトあつめ』が始まったりします。こうするとその場のモトが増えるので、二人ともちょっと幸せな気持ちになるはずです。

 はじめは「奪う」ことになっても、後できちんと「返せる」ようにできれば、こういう「かまってほしい」というコミュニケーションも『二番目のモトあつめ』につなげていけます。ちょっと対人スキルがいるかもしれませんが、こういうのが理想ですよね。

◆かまってちゃんのモトあつめ

 ですが……「かまってかまって」が過ぎると、相手はイライラし始めます。理由は単純、モトの「吸いすぎ」です。モトは『二番目のモトあつめ』をしないと単純に「吸う」「吸われる」の関係になってしまって、吸われた方のモトが減ってしまうんでしたね。これが『一番目のモトあつめ』でした。だから

・自分の話ばかりする
・相手が疲れていたり、眠っていたりという都合を無視する
・相手が楽しくならないちょっかいの出し方をする

こういう「かまってちゃん」のやり方だと、相手のモトをグイグイ減らしてしまいます

 では、こうならないためにはどうすればいいのでしょうか? 次回はその具体的な方法を考えていきましょう。

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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)