天使騒々 Re-BOOT!_感想

自分がエロゲを始めたのが2020年の春なので、ゆずソフトのR18新作が出るのをリアルタイムで体験するのはこれが初めてだった。流石にキャラの可愛さやゲームシステム面などは安定はしていたが、シナリオ上で問題点が解決しきっていなかったり延々とED治療をしていたりという点に微妙な気持ちにはなった。

共通

初っ端からどこかで見覚えのある猫の登場したり、LIEN画面がやけに凝っていたりと上々。主人公のEDもはじめのうちは笑ってられた。この時はまさかゲーム全体を通してEDの解決に話の方向が向けられるとは思ってなかったけど。ところで三國さん√はどこですか?

天音

実妹ルートにありがちな捻くれた感情が見られたのは満足。また、近親であるという壁に対しての「幸せを望むからこそ近しい人は素直に祝福できない」という姿勢を示したのは好き。その辺をどう処理するかに作品の特徴が少し出る気がするし(そもそも周りに言わなかったり、周りに言ってもなんだかんだ受け入れられたり)。
ところで「おにんぽ」って名称はそんなに一般的なの?つい最近別のところでも見たけど。

風実花

天音ルートをプレイした後だと、「前世の関係性が〜」みたいなのが全部茶番になってちょっと面白かった。ヒロインとしては、「初心な近所のお姉さんであり幼馴染でありクラスの担任」という強属性盛り合わせなので当然可愛かった。これまであんまりそういう嗜好はなかったけど良いと思わされた。

来海

表情がコロコロ変わる子は可愛い、当たり前ですね。ただヴェガを呼んだ原因がギャグに振り切っていたせいであまりシリアスさには入り込めなかった。また、このルートは全ルートの中で一番「愛し合う描写」が巧かった気がする。あと角ハンドルの回収はズルい。それ以外にも魔族の姿で色々やっていたのが印象的で、設定を活かせてる感じがした。

かぐ耶

結ばれるまでの流れは物語のテンポ感にあまりついていけなかったが、それ以降はノれた。このルートが一番ファンタジーしていたのは良いのだが、生前の魔王の戦闘描写というかそういう「凄さ」の描写が薄かったため、魔法を封じるあたりはやや唐突に感じた。ED(エンディングの方)で名前のかぐや姫要素を回収しつつハッピーエンドに丸く持って行ってるのはgood。

オリエ

EDの解消が比較的早くてそっちのギャグ色に引きずられなかったからかまっとうにラブコメしていて、恋愛モノとして一番良かったと思う。海辺のキスで(そんな場所で潮の香りが消えるはずがないのに)「潮の香りが消えるまで」と言っていたり、エピローグで、やりたいことリストへのチェックを以って「これから」をそっと示す雰囲気などはとてもロマンチックで良かった。事前にあまり注目していなかったヒロインだけに、不意を突かれて余計に刺さった。

乃愛

中盤まではCafe Stellaの印象がかなり強い。どこかで海のシーンのSDに喫茶ステラのキャラがいたのは見つけてたけど、ここにきて本当に曲まで一緒のものを出してくるとは。ステラの世界には死神だとか魂だとかあったし乃愛の天使云々もそういう流れなんだろうか?(本編では結局天使が何なのかとか神が何なのかとかが明示されなかったため)
それ以外だと、天音がスーパーアシストで二人をくっつけたのに、終盤で主人公から「オッサン臭い言動はやめた方がいい。幻滅されて恋人できないぞ。」とオーバーキル食らってたのが印象的。可哀想……
花火とか黒乃愛とかのスチルは雰囲気が良くて好き。こうだったりエロ天使だったりと振れ幅の激しいヒロインだった。
共通ルートであった洗脳がクラヴィのものじゃないという可能性は普通に見逃していたので「確かに」ととても納得した。ただ、研究者たちを最後かぐ耶に投げっぱなしでその後の報告シーンすらなかったのは少し気になった。いらんっちゃいらんけど。

振り返ってみれば、全体としてはまあ面白かったように思う。ヒロインは可愛かったし満足。

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