映画『SAYONARA AMERICA』の感想
細野晴臣という人の音楽がどのように優れていて素晴らしいのか、僕には語ることはできないが、この映画に出てくる彼の熱烈なファンたちがそれを語ってくれている。とにかく素晴らしいと思ったのは、そのステージを待っている彼らの口から出てくる言葉がひたすらに音楽愛であること。彼らは音楽を愛しているからこそ、心底音楽を愛している演奏家を愛し、尊敬し、今そこにいるのだと、言葉の端々からそういうことが読み取れて、僕はマスクの下で自然と笑みを浮かべてしまうのだった。さらには、ステージが終わった後、今さっき目の前で起こった出来事、耳にした音楽を、芸術的な言葉で評する彼らは、おそらく本当は全く僕と同じようにただ純粋に音楽が好きな人というだけなのだが、まるで吟遊詩人かのようで素晴らしく、僕は嬉しくてたまらなかった。きっと本当に素晴らしい音楽はそれを聴いた普通の人を優れた芸術家に変えてしまうのだろうと思う。
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